きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

2023年、私の余花──「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」①


滝沢歌舞伎ZERO FINAL」に行ってきたのは、4月29日。もう1ヶ月以上前のこの話を残しておきたい。

今年はブログに全部の現場の感想文を残そうと思っていたのに、すでに詰まっている。全然ダメ。伊佐坂先生より筆が遅い。伊佐坂先生が筆が遅いかは知らん。


先に阿部さんを目の前で見た異次元の出来事を書いたので、今回はそれ以外のものたちのことなどなど。

私が感想文をつらつらと書くのはいつか見返す自分のための記録なので、私以外の人は読んでも有益なこともおもろいこともあんまりないと思いますが、それでもよければ読んでってください。





2023年4月29日、GW初日の東京は蒸し暑かった。

どんな確率ならそうなるのか、全然何の話もせずにお互いがそれぞれ申し込んだはずの渡辺担の友人こと「くま」と同じ公演が当たっていて、図らずも2人旅。

歌舞伎に関しては、これまで友達と入ったよりも1人の方が圧倒的に多かったし、1人でも存分に楽しめるヲタクだけれど、誰かと一緒に新橋演舞場まで行けること、その前後の時間も含めて、今となってはなかなか手にできないものなのですごく楽しみだった。


公演前後に誰かと気持ちを共有できるのって、独特の良さがある。


品川でくまと待ち合わせして、銀座でおいしいトンカツを食べたり、ちょうど大晴くんが出ていた『#裸の少年』をテレビで観たり…これはなかなかにのびのびしてますわ。

(くまと出かけるとおいしいものたくさん食べられるという特典があります)(私1人なら、きっとホテルにこもってたところなので)


私と滝沢歌舞伎は「ZERO」初年度からのお付き合いで、ちょうど私がすの6を好きになった直後、歌舞伎が彼らに継承された。

なので、初めてすの6が中心にいるステージを見たのが歌舞伎であり、スタートからずっと一緒に歩んできたもので、思い入れが強いかと言われたらわからないけど、でも、少し特別なものではある。


年々チケットが取れなくなって、今ではやれ同行者はFC会員のみだ登録せよ日程はAだBだと申し込み方にいろいろ注釈がつくまでになって、初年度4連まで入れることができたアレは、もはや何のバグなのと白目を剥いてきた近年の荒波をなんとか乗り越え…られてたのかは微妙ながら、でもなんやかんやと毎年観ることができた。ありがたいことです。

当落は悲喜交々の様相で、これは自分の気持ちをひけらかすものではないと感じていたけれど、ここは私の思い出の記録の場なので、ここには素直に書いておくと、運の巡りがきて、FINALを自分の力で見られたことがすごくうれしかった。

ずっと運がないと思ってたから、だから余計に。


生まれは北海道、育ちは沖縄!運がないとか、それ全部うそ〜!って心の小島が叫ぶくらいの席、幻のポケモンより出会うことのなさそうな最前列まで当たってしまって、今年の春どうしちゃったの!?と怖くなったので、一旦歌舞伎のことは忘れるなどなどして過ごしてきたわけですが。



1年ぶりの演舞場前はFINALだからなのか、それともSnow Manさんに最近ますます人気が出たせいか、結構な人だかりだった。

メインビジュアルのでかい看板が出るのは3年ぶりかな。阿部さんいと麗しく王子様のお姿で好きすぎて、看板だけで脳みそ爆発の危険性を抱えているのに、この後実物を見るわけ!?最前列で!!?!?!?そんなの私、木っ端微塵に爆発しない!?!?!!?!?!?脳みそどころじゃ済まなくない!!?!?!!?!!?!?!!?


入場して、地元の映画館で売り切れてたパンフレットを買って(並んでなかったホッ)、トイレを済ませてから自分の席に向かう。

そんなとこ歩いたことないのよという通路をぐんぐんぐんぐん前に行く。まじ?え?まじ??


1階1列30番台上手側の席は目と鼻の先に舞台があって、コンサートの近さとはまた違う。開演前、白い幕に青い光が投影されてるのが異世界感。

遮るものがない、この視界は何事か。


足を放り出さんようにせんと、とか、荷物をきれいに椅子の下に入れんと、とか、なんかそんなことばっかり気にしながら開演を待つ。

「防振が本体」を地でいくヲタクこと私、この日も持ってきていたけれど(最前でもクソ重いあいつを持ち運ぶガッツ)、さすがの私も最前に座ってみて、いやここから双眼鏡で何見るん?と思い、ガチネバのとき2列目から双眼鏡で大晴くんを見て目が合ってしまった気まずさを思い出し、防振はしまいこんだ。

家に置いてこいや!!





17:30開演、聞き慣れたオープニングの津軽三味線の音。

この後どんなサイズ感でSnow Manのことが見えるのかが想像できなくて、すごく緊張した。でも絶対全部を目に焼き付けて帰りたいとも思っていた。せっかく与えられた歌舞伎のFINALを観るチャンス、与えられた最前席というアングル。

性格的にごちゃごちゃと難しく考えるのが得意というか癖なので、シンプルに楽しもう!だけやと記憶が全て流れて消えてしまいそうなのが怖くて歯を食いしばり、と同時になぜか鼻がムズムズする。今!?もう鼻かめないが!!?今なの!?と謎の攻防を繰り広げるうちにザンッと白い幕が引かれ、9人が現れた。


うわぁ…肉眼…

(肉眼で等身大がわかってしまう距離感を表す語)


この時点で私の身体にはすでに、左顔面がピクピクするという異変が起こり、コンタクトもコンタクトで右目が今にもめくれそう。それ…せめて左右どっちか合わせてくれたらよくない…?私の身体の左右、左右とも落ち着け。

マスクの下で顔面をピクピクさせながら(マスクがあってよかった〜!)WSやライビュで確認していた立ち位置に、等身大の阿部さんを見つける。


おおおおおおおお王子様やん!!おおおおおおおおおおおおおお王子様おる!!!!!!!!


歌舞伎の阿部さんの出立ちは、いつだって王子様でしんどい。大好きが大爆発しそう。しんどい。


1列目の下手側の立ち位置にいる阿部さんは、上手側の私の席からは少し遠いだろうかと思っていたけど、いやいやいやぜーんぜん近いのよ。普通にそこ、は言い過ぎやけど体感そこ。「最前」に「遠い」の概念はない。


今回は桜がどっかーん!と降らないこともあってか、前から見たら「ZERO」に見える錯視的階段の乗り物(説明むず)に9人が3列くらいで乗っている。ライビュ1回、現場1回では3列「くらい」にしかならん記憶…。

あの階段状の乗り物?あれまあまあダsおもしろいよね。どうしてああなったのか。

でも、後ろで桜が降っていたから、席までは来ずとも、演者の上には桜がひらひらと漂っていて美しかった。阿部さんの後ろの髪に桜の花びらが2つついたことを忘れない…!


オープニングの衣装もオーガンジーの羽織ではなくなって、私は本当にあれが世界一好きな衣装だったから切なくて悲しかったけど、今回の衣装をこの目で見てみたら、桜色の花びらのようなふわふわが付いていて、これもこれで美しい。

今画像よく見たら桜柄やった。それは知らんかった。なんかピンクと銀のやつ、と思ってたくらいですいません。


阿部さんのセットアップはジャケットが短くてハイウエストのパンツ、桜色の紐のリボンタイ…と美スタイルが輝きすぎていて、しかも私の大好きなサラスト前髪右流し、左耳かけ(てるけど、髪が短いからか耳の上アメピンで止めてる!)(アメピンの人間味!!そこまでが最高!!!)の眼福最高王子様がそこにいたので、オーガンジーじゃなくても世界!!!!!!!!!!!!!と手のひらコロンッとした。

阿部さん美容院行ったか!?行ったよねッ!?ねッッッ!!?

女心と春の空は阿部さんの前に、非常に簡単である。



「ひらりと桜」「春の踊り」「いにしえ」のオープニングの阿部さんが本当にかっこよくて美しくて、私の原点は歌舞伎のオープニングだと思い返…してはない、そんな余裕はないけど、でも、原点はここだなとは思った。


「ZERO」初年度、すの6におちてすぐのころだった私にとって、Snow Manを見るために足を運ぶ、「阿部担」として初めての現場が南座で。

それまで帝劇で少しと、あとはJr.チャンネルのダンプラなどなどで見てきたパフォーマンスの本域が目の前で繰り広げられて、そのクオリティの高さに目ん玉落としたと思う。帰りに忘れず拾った。

それくらい驚いて、感動した日の刷り込みが心の中に根付いていて、だから私は舞台の上で颯爽とパフォーマンスしている“歌舞伎の阿部さん”が大好きで。


折り目正しく美しい所作がまぶしい。メンバーとアイコンタクトを取る姿が好きすぎて、その視線が交わるときのお顔に、“阿部亮平”という人の生々しさを感じて、早々に好きが致死量を超えた。斜めから見ていることもあって、ある意味、演出の干渉さえも受けずにまっすぐ阿部さんだけを追えてしまう。ヲタクの醍醐味でしかない。

つくられていない、「等身大」の「アイドル」「Snow Man」の阿部さんが生きて動いている事実を目の当たりにした。

歌舞伎のオープニング、きっとずっといちばん大好き。





モノクロ・9剣士と、殺陣をする阿部さんがすごく好きで、なので今年の「仇討ち」も、とても楽しみにしていた演目。

阿部さんの殺陣は颯爽と涼やかな印象で、それはスラッとしたスタイルとか、姿勢や所作の美しさが生むものだと思ってるのですが。


向かって左から阿部さん、ふっか、宮ちゃんの並びで、でっかい板の向こうから現れて、どでか戸板倒しのごとく3人で板に乗って地面に降りる。

その風で床に落ちていた桜が舞って、風と桜の花びらがふわふわと私の顔をかすめて、あぁ、こんな風が起こっていたんだとライビュで見たときにはわからなかったものを味わう。


仇討ちの赤い袴は9剣士のそれよりもシンプルで、阿部さんの持つ美スタイルというか、「素材が生かされてる」感が最高。黒の襷がね!めちゃくちゃ似合っててね!!!!!!!!?手袋も良かったナァ(好)(ハオ)


今年も阿部さんの殺陣は軽やかで美しくて、でも相手を斬るときの“容赦なさ”が阿部さんだった。

普段のキラキラしたアイドルの阿部亮平さんとは重なるところのない、窺い知れない一種の残忍さ。それが全開で出るので、そんな顔が見られるのはこの演目ならではというか。


私の目の前で斬るところがあったのだけど、相手はSpeciaLの松尾くんだったな。そのとき阿部さんの首に汗がにじんでいたのが新鮮で。お顔はそんなに汗かいてる感じがないのに、芸能人は本当に顔から汗かかへんのやな…と変なところで感動する。

汗かきの印象のない阿部さんが、こんなにも汗をかいて殺陣をしているということにも胸熱だった。


歌舞伎ではずっと殺陣に苦戦してきたから思い入れがあって、だから仇討ちがやりたかったのだと「あべ日」に書いていたけど、私は苦戦しているような、そんなふうに思ったことなかったから(女形の方が苦戦の印象強かったからかもしれない)驚いた。いつも、阿部さんの殺陣はすごく綺麗な殺陣だと思っていたので。


南座のころは、もっとあどけなさとか華奢なイメージがあったけど、年数を重ねて、動きにも纏う空気にも厚みとか精悍さが増した感じがしたなぁ。かぁっこよかったぁ!!!!!

美の暴力!!!!!!!!!!!!!



仇討ちからMaybeに移る場面転換中、真っ暗な中に阿部さんのナレーションが流れるのだけど、月とか星とかのお話をするので「プラネタリウムみたいだったよ」ってライビュを見た時点でくまが言っており、私もライビュのとき(プラネタリウムだぁ…)と思ったけど、現地でもやっぱり思った。阿部さんのトーンも、「ぽい」んですよね。

ちょっと目を閉じた( ˘ω˘ )スヤァ…(起きろ?)





「人生一度は腹筋太鼓!」を標語に(標語)歌舞伎デビューした私ですが、というか、滝沢歌舞伎といえば腹筋太鼓くらいの知識しかなかった当時。

なんか…センセーショナルでしたよね、上半身裸のアイドルが20人とかで円になって和太鼓叩いてるの。あの風景を娘が無言で双眼鏡で見てるの知ったら、お母さん泣いちゃうよ…と思いながら無言で双眼鏡を覗いてきた。


今年は斜め前にひかるがいて、その延長線上に阿部さん。仕方ないことやけど、ひかるで阿部さんが見えづらくて(たまーに見える)、歯医者さん(友人)から聞いていた「不純物のない阿部さんの背中」を見るのに苦戦した。

その代わりに得たものは、ひかるの背中は少し荒れていて背中ニキビができており、生々しい新陳代謝…!ちょっとガン見してしまったアイドル様のお背中…!そしてこのときに近くで見て初めて、ひかるの髪の毛がパーマなのだと知る。なぜか巻いてると思ってたのよ。


不純物のない背中は盆にスタンバイしたときに見えました(きれいだった)(首に赤いニキビ?があった)。そして今年も肩甲骨をちゃんと拝見できて(アイドルの肩甲骨は天使の羽と同義語)、私にとって最後の腹筋太鼓がつつがなく行われた。

盆が回っているときに太鼓叩いてるお顔も見られたけれど、キリッと一点集中、熱くてかっこよくてよかったなぁ。盆のときは顔は見えへんやろうと思ってたけど、全然見えた。幸。


あと、盆が回り出すくらいからかな、温度が少し高くなった気がした。なんだかちょっと暑くなったような体感があって、客席に伝わらないだけで、そういう「演者の発する熱気」による変化って、舞台上にはいつもあるのかもしれない。


阿部さんは今年も太鼓リーダーだったのかな。ご時世的な影響も受けながらいろんな演目が変わった5年間、太鼓だけは、譜面も含め、いつも変わらずそこにあったなぁと思う。

2年前に3階から見た、全体に気を配っているリーダーの顔も忘れないよ…太鼓リーダーforever…



からの「DA BOMB」、阿部さんがカラサンしてるって聞いた時からそんなにかなあと思ってたのに(阿部さんのそのままが好きすぎるので、メガネとか帽子とか、あんまり装飾いらない派のヲタク)、肉眼で見たら好きすぎちゃって、自分あまりにチョロかったっス。ライビュで見た時から、とてもいいと思ってた(チョロ)。


阿部さんは宮ちゃんのパートの後半に下手側からスッと出てきて、立ち位置で客席に背中を向けてスタンバイした。そして迫り上がる阿部さんの足元。

その一連の動きが流れる水のようで、無駄がなさすぎて、阿部さんの仕事人感を浴びる。好きが!!!!!弾けるワァ!!!!!!!!!!!


インテリヤクザみたいという第一印象のDA BOMB(褒めてる)(つもり)、片足で踊るの体幹…!ってなったり、温度低めの低音ラップパートも相まって好きでした。阿部さん、上手側の立ち位置だったから結構よく見えて幸多めだったはすが、終わった時点であんまり記憶がなかったのが本当のところ。

それはきっと、このめくるめく世界線であまりにいろんなことが起こったから薄まってるだけやけど、いちばん記憶に残ってるのが、夜中にホテルのベッドに寝っ転がって「新曲のふっか」って真似してたくまってどういうこと。





いつものことですが、思いの外長くなったので後半はまた。