『滝沢歌舞伎ZERO 2021』の感想文、私の短すぎた春。でも、春が来たことが幸運すぎた2021年4月。
泣きながら拗ねながら、そしてよく寝ながら挑んだチケット泥試合、イープラスの再追加で呼んでもらった歌舞伎。3列目なんていうえげつない席に座らせてもらって、こんなことあるんかいって白目剥いた春の最終回です。
某ZARAのめちゃくちゃかわいい虎柄のワンピース、もちろん緑色、を着て、デビューして初めて歌舞伎の舞台に立つ阿部亮平さんを見つめる。内臓が全部よじれるんじゃないかってほど緊張しながら、後悔しないように、全部をこの目に焼き付けたいと思っていた記録。
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❀ お化粧
阿部さんは下手側、向かって左から2番目の席。佐久間くんと宮ちゃんの間。私が1回目に観た時はちょうど死角になる位置だったので、余計に楽しみだった。
お化粧する台まではちょっと距離があって、防振持ってきたらよかった…!と思ったガッチガチのロックオン体質。2019では最後までお化粧していた阿部さん、今回は先にハケると聞いていたので、勝負は一瞬…!
阿部さんのお化粧からはこなれ感は特に感じたりしなかった。2年前と変わらず、おしろい“ぶふぉあ!”って感じでめちゃくちゃかわいい。ただ、本人は2年前と比べると余裕のある感じの顔をしている気がする。スペシャルかわいい。いちごってかわいいよね?いちごといい勝負のかわいさよ、天才かよ。
お化粧中、IMPACTorsの基くんと椿くんが進行でSnow Manからアドバイスをもらうコーナーをしている。
この日はふっかからの「IMPACTorsのメンバーそれぞれの特徴を教えて」という、ふっか先輩やるジャン!なお題で、2人がメンバーを紹介していったのだけど、「センターが佐藤新です」「雑誌とかだいたいセンターにいるのが佐藤新です」っていうちょっと雑い紹介がツボだったのか、阿部さん白塗りしながらIMPACTorsの2人の方見ちゃうくらい笑ってた。そのあと、佐久間の方とか宮ちゃんの方も向いてニコニコしてた。そ…っ!そういうお化粧しながらキャッキャするのめちゃくちゃ見たかったんです…!!!!!!!!!
ふっかといんぱくちゃんありがとう、甘納豆とかあげたい。
そしてやっぱり早々にハケてしまい、手におしろいを塗りながら階段を降りていく阿部さんの後ろ姿がかわいかった。海で日焼け止め塗る女子か。佐久間くんがアラレちゃんの「キーン!」みたいな手でハケてるのも、めっちゃかわいかった。え?この例えは私の歳がバレる?総じてあべさくはかわいい。
あべさくがハケてから、目の前のなべめめチャンを見ていたら、翔太が目黒と3言くらい交わしてから肩をトントンって叩いて降りていった。目黒は翔太の方に気持ちを引っ張られて3往復くらい何か迷いながら、結局お化粧を続けた。あれ、なんやったんやろう。お化粧のスピードを勝負しているらしいレポを読んだけど、それだったのだろうか。
あと、この日はふっかがめっちゃ元気で、地声でしゃべりまくってて普通に笑った。ラウールとキャッキャしててかわいかったですね。
最後はひかるだけ残ってIMPACTorsの『Wildfire』越しにお化粧してるのを見ていたけど、もくもくとお化粧してるひかるはもう、そういう神様みたいですね(とは)。お化粧終わってリズムとりながらIMPACTorsちゃん見てるのは、謎にこっちがドキドキする授業参観。
Wildfireは指先まで細かい振りがTHEひかるの振り付け!って感じで、多分すの担みんなニヤニヤするやつ。さすがだよ、おれたちのひかる!みなとちゃんのパフォーマンスが狩りっぽいなあと思ったのと、影ちゃんが汗かきなのが印象的でした。かわいいですね、弟たち。指でWをつくるポーズが特に好き。
❀ 創作歌舞伎
「男と女の舞」これが、このターンの私の本命。前回は阿部さんと目黒がほとんど見えなかったから麗しの阿部太夫さんを観るのがすごく楽しみで、ど真ん中から出てきた阿部さんをぶち抜きでガン見。
私、どこにも自慢できないし履歴書にも書けないし日常でも役に立ってないけど、ターゲットに対するガン見の才能だけはすごいものがあると思う。
阿部さんは努力の天才なので、女形の精度はぐんぐん上がる。毎年「めちゃくちゃ肩も腰も落としてる!えらい!!」ってなる私は誰なのか。背中までちゃんと白粉していてえらいなぁ、ともなぜか毎度思う。
流し目がきれいで、扇を扱う手先もきれいで、ツツツと歩く姿もきれいで、見れば見るほど私がうれしい。ABKAIで女形の皆さんのこと近くで見て勉強したって言っていた阿部さん。それをちゃんと自分の中に落とし込んで出せているんだろうな。阿部さんのファンでいることが誇らしいなと思う瞬間。
さく姫ちゃんも翔太も目黒も見たかったけど、全然見れなかったな…近けりゃ近いほど阿部さん以外見られないことがわかった2021。
「五右衛門」は目の前で見るとものすごく迫力があった。本当に目の前なので、お化粧も衣装も立居振る舞いも、すべてが圧巻の中の圧巻。楽しい。刀投げも贅沢な角度で見ました。イワモト!!!(大向こうさん)
ふかラウが舞台中央に来ると目の前がラウールの立ち位置で、ちょうど視線の先が私になるのか、がっつり目が合っている…気がする。隈取の効いたお化粧のせいで目が合ってる気がするのか、本当に合っているのかジャッジは難しいけれど、私もラウールをめちゃくちゃ見た。めちゃくちゃ見ているうちに謎の母性が湧いてきた。ラウ、カワイイ!あとニキビがあった。若さ。
ふっかの背中反ってキメる見得もガン見した。なんか寿命が延びそう。巣鴨とかでやってほしい。拝みたい。
❀ 花鳥風月
自分が見た2019年の滝沢歌舞伎ZEROと映画を比べて「映画の方が好き!」って思ったの、花鳥風月くらいかもしれない。
出演者総出演!アベンジャーズ!みたいな2019年の大団円もいいけど、映画でSnow Man本人が新しい振り付けで歌って踊る、“新解釈”の花鳥風月が大好き。特別上映でヒカルの嫁と南座出た瞬間に盛り上がったのも懐かしい。
そんな花鳥風月を間近で見られることが、めちゃくちゃ楽しみだった。しかもね、1度目に見た時の阿部さんが素敵すぎたから、本当に楽しみにしていた。
前回見た時は組曲がカットになったその日やったから流れも少しぎこちなかった気がするけど、9日経って、もうすっかりなじんでいた。積み重ねられていく時間を感じる。
衣装は2019の組曲の衣装。白のタンクトップ×白パンツに阿部さんは黄色の巻き物。メンカラワールドで生きるアイドルがたまにつける違う色、いいよね。黄色も似合ってるヨ!
お化粧をダッシュで落として出てきた阿部さん、いい感じに前髪が流れていた、気がする。日が経ってしまっていて曖昧になっているけれど、「かっこいい!!」って思ったの。1度目はおでこが割とガバッと出てたのだけど、この時はいい感じに前髪が流れていて余計きゅん!とした覚え。
曲の始まりと共に水がポツリポツリと天から落ちてくる。最初の音とともに、スタンバイしているSnow Manにスイッチが入るのがわかる。どんなアイドルやエンターテイメントを見ていても、そのスイッチが入る瞬間を見るのが好き。仕事人への鳥肌が止まらんわ。
水が降る中でのパフォーマンスは、なんだか幻想的で、それまでの演目とも一線を画す別世界だった。少しずつ濡れていく髪や身体や、水に反射する光。風が吹くような感覚。風が見えたような、そんな気がした。
水と光の合わせ技が織りなす異世界感。多分、防振で見てたら感じることのできない世界。
阿部さん麗しかったなぁ。身体の筋という筋とか、少しずつ濡れていく髪の毛とか。そして、とにかく切長の目が描く視線の動きが美しいのだと思う。踊ることって、ただ身体を動かしてるわけじゃなくて、思考も全てで表すんだなぁ。そうじゃないとあんな顔はできない。とにかく一挙手一投足に見惚れてしまう。そうでなくても見惚れていますけどね。
あぁ、きっと、水が降ることによって変わっていく様子も見どころのひとつだなぁ。時間の経過と共に変わる姿。その日、その時間にしかつくられない風景。舞台というナマモノは全てを通してそうかもしれないけど、とてもはっきりとした象徴的な時間。
曲終わりに1列になった時、阿部さんはいちばん上手側でいいお顔をしていた。花鳥風月の世界から解き放たれたアイドルとしてのお顔もかっこよくて恋が止まらん。ずっと見ていたかったな。水も滴るいい男世界一!
あと、初めて水避けのビニールを使えて少しうれしかった。例年みたいに水バッシャンバッシャンしてないから大して飛んでこないやろうと思ってたけど、終盤、みぞおちにビュッと直撃した。これが弾丸ならしんでるよ。
❀ 鼠小僧
あべぞうが他界していた。
ショックだった。あれ?私はいつの間にあべぞうにこんなに親しみを持っていたのか。
遡ること2年前、私は好きになった阿部亮平さんがまさかの猫らしき物体の役で少しショックを受けた。なぜ…なぜ人間じゃない、と思った。猫というよりむしろコアラやんって思ったし、いつメンの間で阿部さんを表す絵文字はコアラになったし、コアラの中にかわいいを見つけるのに必死だった。
映画にもコアラはいた。ABKAI、海老蔵さんの舞台を経たコアラ…。でも、映画の時点でコアラのこと、ちょっと好きだった。阿部さんも「あべぞうは重要なシーンに必ずいる(笑)」ってうれしそうだったかわいい。
今年もまたコアラに会えるのかぁ、あのでけぇコアラに。もふもふして大詰めでは水吸いまくって重たくなるコアrと思っていたのに、ワイドショー見たらいなかった。にん、げん…?
阿部さんは「安兵衛」というノリの軽いアオハルを求める若い男の人になっていた。徳俵の旦那に変わって新吉親分の相棒的なポジション。なぜか海老蔵さんの歌舞伎に出た2人が代わりばんこに猫か犬かコアラかそういうものになる滝沢摩訶不思議歌舞伎ZERO。「天気予報するなら人間!」とでもなったのだろうか。うわ、なんか絶対そうな気がする。
近距離で見る鼠小僧の世界、とても楽しかった。1幕では完全に阿部亮平さんに没頭していた私、緊張とかドキドキとか恋とかそういうものに目まぐるしく追われていたけれど、2幕は安兵衛さんに人見知りしていたのもあって、のびのびと観ていた。それはそれでどうなん。
お話の筋は特に変わってないけど、時間短縮・絶対的20時のリミットのために駆け足気味の流れかな?という印象。あと映画寄り。
お丸は相変わらず堂々のゲテモノ系ヒロイン(「飛沫対策ですぅ!」って手持ちのシールドに“ぴえん”のお顔がついててかわいかった)、新吉親分は話が長いし、金と銀はおバカ。あ、これ全部本気でいい意味です。黒影組は謎に演技がブラッシュアップされており、なんなら以蔵が声変わりしてて時の流れを感じたよ…なみだ。ダテタマは背中の♡模様がかわいい。犬になっても高貴だった宮ちゃんの底力。
2年前と大きく違った点といえば、官兵衛半兵衛が2階に現れることと、大詰めの決闘シーンには水じゃなくて桜が降っていることだろうか。
えげつない水の大詰めも好きやったけど、桜もいい。歌舞伎冒頭に青い桜が降っている分、薄いピンク色の桜に謎のエモさも感じる。
桜降る中での決闘は、セットがスーパーマリオみたいだった。今のところ、誰からも共感を得ていない。金と銀の動きがマリオなんだもん!知らんけど!
そういえば、桜って金と銀のくしゃみきっかけで降るよね。かわいいの極み…!ありがたいことに、私の席近辺にもふんわりと桜が届いた。
金と銀といえば私が入った回、「銀さんがデレたぁ!」あたりから銀さんが笑ってしまって、完全に渡辺翔太だった。「バカ!」っていうところで潔く「すいませんでしたっ!」って言ったのはもう紛れもなく渡辺翔太くんでしたね。かわいいかよ。
そのあと花道に出てきた時、「すいませんでした・すいませんでした」ってロボットみたいに繰り返し言った後、花道横のお客さんに「わぁぁ!!!」ってアドリブかましてたの、翔太の本域に触れた気持ち。
今年は例年より時間的にタイトやしシビアで、あんまり遊びを効かせられないんじゃないかと推測する。だから、翔太が翔太らしいアドリブを見せてくれたのがとってもうれしかった。
金さんは金さんで何やるにもハートが強すぎるし数撃ちゃ高打率やし、近い席で見ると、その活きのよさを肌で感じる。金と銀はすごいよ、天才。
こーじの官兵衛は月並みな表現やけど「まじですげぇ」と、近くで見てさらにそう思った。寄り目しながらしゃべるから、延々視点が定まってない。マジ狂気。人は感情込めてお芝居しながら寄り目できるんや…てか、寄り目自体できない私からしたら全部衝撃が強すぎる。18禁やで。
こーじは早くそういうクレイジーな役もらえ?無人島行ったりドッキリもいいけどな?早く見つかれよ!?
半兵衛は目黒担の歯医者さんにモノマネを披露したすぎてガン見していたら、途中からジャックスパロウにしか見えなくなって困った。私、『パイレーツオブカリビアン』履修してないのに。半兵衛のモノマネに記憶の容量を使った分、いくつかの思い出を捨てているかもしれない。
さて、私が見た安兵衛さんと阿部亮平さんの境界線の話が3つある。
①お墓の前で金銀はひっくり返って、黒影組・新吉安兵衛が対峙するシーン
官兵衛に「こっちだ」って言われて上手側から下手そでに追っていく時、安兵衛さんは倒れている金銀をチラッと見てわずかに笑いをこらえていて。二度見してじわじわ笑いを噛み殺していた。けどこれは、離れて見てたらわからないレベルのわずかな感じ。なに!?どこにうけてるの!?ってめちゃくちゃ高まった。阿部亮平さんはどこにうけてたのかDMくださいDM開放してます。
あと十手持つ腕筋拝見しました。めちゃくちゃ男でした。
②大詰め、敵役の人たちに足場を組んでもらって見得を切るシーン
新吉親分は上手側、阿部さんは下手側で見得を切るところ。足場に乗ろうと客席に背を向けた瞬間、阿部さんはIMPACTorsの鈴木大河くんと目を合わせて、なにかに笑っていた。でも客席の方を向く時はちゃんと真顔なのがめちゃくちゃ仕事人。プロ。あれ最高に恋だったなぁ。もちろん何に笑ってるのかわからんのだけど、がちゃんとの間には通通のおもしろいことが起こってるわけでしょ。垣間見えるリアル、恋すぎる人間味…!
がちゃんとは、決闘で棒を持って舞台を行ったり来たりする時もペア。仲良くなったかな〜?阿部さんに教えてもらう大河ちゃん裏山そこ代われ?
③天気予報
上手側からお丸、安兵衛、ダテタマで並んでいる。お丸の振りで翌日の天気を発表するんやけど、「明日の天気は…(ちょっとためる)…晴れ!」でニコー!って笑った顔がめちゃくちゃ阿部さんでかわいくて、目尻の笑い皺までかわいい天才of天才!前観た時はたしか曇りのち雨だったんかな。語呂的にも言いづらそうだったから、晴れで余計うれしそうに見えた。晴れはいいねぇ、明日が晴れでありがとう地球…!!
そのシーンで土台のままハケていくとき、ダテタマがロイヤルにウィンクとか投げキッスしてて、それに気づいて座ってダテタマに手をキラキラ〜!ってするのもめっちゃ阿部さんだった。あれは見紛うことなき阿部亮平さんのキラキラ〜!きゃわいい〜!!
大詰めの桜が降る景色は2年前の南座、雪が降っていた景色を思い出させるところがあって、なんとなく懐かしい。
人が動くと風が起こって、床の桜もくるくると動く。それが舞台をより生き生きと見せている感じ。この時は舞台上に少し風を吹かせているのかな。右に左に人が入り乱れて動いていて、上からパラパラと降り、床でもくるくると動いていく象徴的な桜。ファンタジーというかパラレルワールドというか、夢を見せてもらっているなぁという感覚。
前情報なく行っていたのと1度目は舞台が半分しか見えない席だったのもあって、最後に小判を降らしたのが新吉親分だということにはこの日気付いたのだけど(びっくりした。かっけぇな、新吉親分!)、夢小判が降る景色は2年前と何も変わらなくて、コアラみたいな猫か犬かがアオハルになってギリギリでいつも生きていたい旦那がロイヤルな犬か猫になっただけで(「だけ」というレベルではない)、本当はそれはめちゃくちゃでかい変化やけど、けど、まるで新型のあいつが現れる前の普通の生活に戻った気持ちにまでなる、すごくうれしい夢を見た。そんな感じだった。
❀ WITH LOVE
もう、ずっと胸をぎゅーっと掴まれているみたいだった。アイドルに対してファンが持つ最大限の愛おしさを爆発する寸前で抱えているような、そんな気持ち。
私みたいな自担ロックオン体質のヲタクが生で舞台を観ることができる喜びは、照明が当たっていない時でも自担を追いかけられること。ただただ自担を追う、この喜びがエグい。
真っ赤な衣装、金色の蝶ネクタイやふわふわの羽根や繊細な装飾物がめちゃくちゃ美しい。2年前と変わっていないのがうれしい。
1幕終わりに水に濡れて2幕ではかつらをつけるから、今回の歌舞伎は阿部さんの髪型が3度変化する。バッチバチにキメてるオープニング、ラフな雰囲気の1幕終わりを経てWITH LOVEの時にはすごいナチュラルなふわふわっとした髪になっている。かっこいい。1度で3度おいしいは、もう危険な薬なのよ。
ふと動くときに自分の立ち位置延長線上のお客さんの泣いている姿をやさしいお顔で見ていた阿部さん。自分のパート以外でも客席上方を見てやさしい笑顔で微笑んでいる阿部さんは菩薩かなんか、もう、見てるだけでこっちが悟りを開くかのごとき微笑みが神々しくて、ああ〜恋ダァ〜って思った。ブッダかな?
阿部さんの目にはキラキラと光が反射していて、すっごくきれいで、ニコニコと王子様みたいに立っていて、ステージに生きている。本物がそこにいる。その事実を全身で浴びた。
こーじと目を合わせて笑い合う、その流れを見ることもできた。手を伸ばしても決して届きはしないけど、肉眼で十分見える、顔の造りどころかちょっとした肌荒れなら見えるような距離でそこにいる。まつ毛が多くてきれいで、指が細くて長い。
歌っていたって、立っているだけの時だって、ずっと心を掴まれっぱなしで、これが某ハンターハンターとか某ワンピースなら私は心臓抜き取られてるかもしれない。某が仕事せぇへんな。
けどそれくらい、アイドル・Snow Manの阿部亮平さんはかっこよくて、存在だけで大正義で、この世の全てを凌駕するほどの恋だった。こんな贅沢な距離感を味わわせてもらって、私の春は大どんでん返しで大勝利だな。
曲終わり、舞台中央に集まって掌に文字を書くところ。阿部さんはSnow Manの中では一番後ろに立っている。私から見たら、おそらくほぼ0ズレの位置やったはずなんやけど、阿部さんと重なるようにして、私の真ん前に人影が。鈴木大河!お前かぁ!!!
IMPACTorsはSnow Manより前方に2列でV字(かな?)に座っている。その座っているがちゃんが私の視線の先だった。なんならめちゃくちゃ目の前。ジャニーズJr.をこんな近くで見てすいません、くらいの距離。いや、ほんと仕方ない。仕方ないし、がちゃんはキツネみたいでめちゃくちゃかわいかったよ。こんな近くで見てすいません。
実は2年前の歌舞伎に入った時、同じタイミングでこーじと阿部さんがドン被りしたことがある。その時も私が観る最後の公演だった。防振で阿部さんを見てたら、最後の最後にこーじがきれいに重なってしまって、ナミヲ歌舞伎かよ!と思った。こーじがナミヲネタをよくやっていたのが懐かしいね。
がちゃんが来た瞬間、その記憶が一気によみがえって、一生懸命なかわいいお顔を拝見しながら「今年は鈴木歌舞伎かよ!」と思った。2年越しの再放送。
最後の最後、輪っかに乗るフライングが大好き。微笑んでスッと右手を伸ばす阿部さんが美しい。これこそマジもんの王子様。
スタンバイする時、IMPACTorsの基くんが阿部さんの補助をしていて、準備ができた時に2人で目を合わせて頷いたのが見えた。シルエットでも仕事人はかっこいい。この席ではもう、何を見ても恋が倍々ゲームで増える。
くるくると回りながら輪っかは天井に登っていく。あんなほっそい輪っかに乗っているのに身体がブレないその体幹は一体どうなっているのか。阿部さん、あんなに細いのに何事だよ!
大好きな景色を目に焼き付ける。ありがとうSnow Man、ありがとう阿部さん。また絶対会いたい。
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何度も書いているけれど、私はこの春、めちゃくちゃラッキーなヲタクでした。もったいないくらいのラッキーと幸せをもらった。
あんなどえらい距離で見ると、逆に何も覚えられないのだなとわかった。目の前にアイドルがいて、本当に存在してパフォーマンスしている事実が尊くて、見るもの見るもの、見た瞬間から海馬をするりと抜けていく。
だから普段よりも何も覚えられていない気がするけれど、それはそれで、臨場感があっていいものだなと思った。
本当にありがとうございました。
この感想文を書き始めてからいろんなことがあった。そもそも私が行く時点で緊急事態宣言の話が持ち上がっていたし、結局4/25〜5/11の公演はなくなった。
観たものをちゃんと書いておきたい気持ちに駆られながら、ただキャッキャしただけのものを落とすことにためらいもあった。結局書いたけれど完成まで時間がかかってしまって、記憶をたぐっても鮮度は落ちているし、とっ散らかったものになってしまったかな。
今ただただ願うことは、再開する公演が全部無事に終わること。御園座の大千穐楽まで、Snow Manが心置きなく舞台に立てますように。彼らの耳に、やさしい言葉がたくさん届きますように。
私は自分の半径1.5mのところにいる人のことしか考えられないヲタクだから、誰しものことを壮大に願うことはできないけれど、中止で公演が飛んでしまった私の大好きな友達が、何がしかのミラクルが起こって歌舞伎に行けますように。
中止になってから、何がしかのミラクルってなんなんやろうって思いながらも、ずっと願っている。世の中は何が起こるかわからないから、どうかどうか、絶対観てほしい。そのように、世界が動いてほしい。
今は、そんなことを考えたりしています。