きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

春と良薬は口に苦いということ

春が来た。

今年の春は時間にすればほぼ4日間。みじか。蝉が地上に出てきてからの時間より短いやんけ。体感リニアよ(乗ったことないのに)。


滝沢歌舞伎ZERO 2022』に行けることになるまでの、私のための記録です。相変わらず再生回数2くらいのブログ。有益なことはありませんね。

怒涛のスピード感に追い付け追い越せと、あれやこれやと残しておこうと思う。リニア追い越すなんて聞いたことないけどな。





暦の上では、2月から春らしい。こんなさっっっっむいのに春を名乗ってはいかんやろ、昔の人~!と毎年思う。

今年はそんな寒さが寒さを重ねるド寒い2月から、ずっと調子が悪かった。

私はガワがお調子者の適当人間でありながら根は暗い、悲観的で坂を転がり落ちるようにふさぎ込む。思い返せば2月からさまざまなことでストレスにストレスを塗り重ね、塗り重ねるのはできればバターサンドのバターだけにしてほしいなと思いつつ、いつの間にか外は温かくなっていた。


春はいつも調子が良くないけど、今年の春、すごく苦い。

 
思春期を抜けようが20代を通り過ぎようが、いやなものはいややし調子が悪いときは悪い。大人なのでそれをできる限り見せない外面を持ち合わせるよう鋭意努力します、というだけで、しんどいときはしんどいですよね。だからしんどいんです。ここで小泉構文(うるさい)。


歌舞伎は今年も全敗を喫した。ますます出る人気、にもかかわらず地方会場がなく減ってしまう公演数。どんな倍率やねん、どうやって潜り抜けるねん。誰かそろそろ赤本とか出してくれ。
 
今回は「イレギュラー交換」という飛び道具で、当落後割と早々に交換が成立したものの、3月下旬になってご時世的なアレソレで白紙。その事実だけを見れば誰も悪くないけど、落選から行けることになった喜びを一度通ってしまって、ストレートな落選以上のダメージを負った。これは通ってみなわからんやつ…高低差異常。手負のヲタクは気付いたら地獄の9丁目にいた。

どこやねん。
 
 
白紙に、それはそれはいろんなトッピングがついて回ってしまって3月末、HPは0。いよいよ体調まで崩した。心身相関が過ぎる。

去年は泣きながら一般に電話したけれど、今年は挑戦することさえ放棄した。もう全部全部いやだった。トッピングえぐかったんよ~。この世のトッピングはカラースプレーかチーズか温玉だけにしてほしいよね〜!
 
時を同じくして、私の近しい友人たちのほとんどが歌舞伎に行けることになった。歌舞伎会とか一般とか、まるでオセロの角を取ったかのように黒が白にコロンコロンと変わっていく。いや~あれは圧巻の光景だった。すごかった。みんなみんな、おめでとうだった。

 
当時の私は(当時いうても20日前くらい)白が黒にコロンとなったところであり、そしてそこに次々とトッピングがマシマシにされていく最中であり、抱える虚無が日に日に大きくなって、すべての思考を強制終了した。憑き物憑きまくり!みたいな。腫れ物腫れ放題!みたいな。
 
今思えば本当に情けない姿で恥ずかしいなと思うけれど、冷静に見ても、私のキャパではどうしてもああならざるを得なかったとも思う。
 
違和感はうそをつかないというn回目の教訓。
 
 
たとえ全滅していても、いつだって根拠なく行ける気がしている私でやってきたけれど、さすがに今年はそうは思えず(私の脳内も案外無鉄砲ではないんだなと新発見だったのですが)、最初に使えたようなカードもない。公演数も少ない。

こればっかりは、もう…となりながら、でもやっぱりやるだけやろうかな、と、ヨレヨレとチケツイを出した。

本当は初日が過ぎて少ししてから出せばいいか、今の時点で行けなくて譲るパターンなんてある?と思っていた。ていうか、譲ってもらえるなんてどんな確率よ。出す意味ある?という気持ちも強かった。
 

そしてそれとは別で、流れや様子を見ながら、放置していたトッピング関係を全部きっちり処理したのが先週火曜だったらしい。この世にはいらない縁もある。

ケツイはアテにならんだろうとCNプレイガイドの抽選という、こちらも同じくらいアテにならないに決まっている倍率のものに望みを託してメソメソしていた翌日水曜日、奇しくも歌舞伎初日の夜。1通のDMをもらった。
 

ご時世的なことで行けなくなった知人からで、「チケットを譲れますが、ご都合いかがですか」
 
 
 
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
 
 
 
そこからはリニア(リニア)。

信頼できることがわかっていた方だったのでトントントントン話が進んで、DMに気付いたのは22時とかだったのに日が変わる前には行けることが決まった。びっくりした。
 
しかも、最初に交換が成立したときと同じ日の公演。

昼夜が違うけど、あれだけの日数がある公演で同じ日。私が歌舞伎に行くのはこの日なんだと宇宙レベルで決まっていたような、そんな気がした。いや、スケール。でも、そういうのあると思っていて。


私はテレビでやるような「今日の運勢占い」は、1日のモチベを左右される感じがしてすごく嫌いなのだけど、例えば私生活が潤うような、肯定的なものは割と好きで。

そういうもので2、3、毎回チェックしている占いがある。

その中の1つに「突然の連絡」「再会」「芸能人や特別な人に会えちゃうかも」と書いてあった。絶賛地獄の9丁目にいた私は「こんなうまい話あるわけないやろ」と知らんふりしていたけど、起こった。起こったやん!!

すーーーごいジャン!

こういうのって誰にでも当てはまることが言葉巧みに書かれている側面もあるのだろうけど、でも、せっかくうれしい気持ちになったのだから、素直にうれしいでいいのです。意外な角度から当たってるし。最高。





この1ヶ月に起きたいろいろがトラウマになってしまって、声をかけてくれた方のことは信頼できるのに、自分が新橋演舞場にいることが想像できないまま当日を目指して過ごした。

うれしい、ありがたい。尽きることないほどの感謝(そしてお友達になってもらった)。

その気持ちとはまた別のところで、チケットが手元に届いて新幹線やホテルを予約しても全然信じられなくて、リアリティがない。4日後には行く予定で、結構バタバタと準備をしながら、それでもずっとほんまに行けるんか、無事に辿り着けるんかとオロオロしっぱなしだった。


迎えた10日、日曜日。朝から緊張していた。すごかった。情緒が波を打ち過ぎている。内臓がもろとも口から出そう。

午前中は用事をして、開場1時間前に東京に着くくらいのちょっとギリギリのスケジュールで。そのギリギリが緊張を加速させる。(早くリニアできてくれよ〜!)

緊張するわ心配するわで、地元を出てから、電車の中で、乗り換えの駅ごとに、何回カバンの中のチケットを確認したかわからない。あるのにね。15分前に見てんのに。
 

結局緊張は止まることなく、演舞場に着くまでずっとちょっと怖かった。新幹線で富士山がうす~く見えたとき、ちょっと拝んだ(拝んだ)。人間の原点は自然崇拝ですね。
 
東京に無事着いて、ホテルにチェックインできて、ホテルから徒歩10分。テレガイにも載った、あの「新橋演舞場」の看板が見えたとき、うれしかったなぁ。今年も無事に新橋演舞場に来れた。

なんやかんや言って大騒ぎして、変なことに巻き込まれながらでも毎年来れているのだからありがたい。


4ヶ月強ぶりにお会いした阿部さんは、髪型がこの上なく好みだったこともあって、かっこよさが突き抜けていた。なッッッ…やばくない!?存在してるゥゥゥゥゥ〜〜〜!!!!!!!私の目がキラキラになった。

あの折り目正しくて美しいダンスを、流麗な視線の動きを、この目で見られて幸せ。


公演が終わったら「緊張」とか「恐怖」とか全部抜けていて、ただのヘラヘラしたヲタクに戻っていた。戻っていたし、道にも迷って、ホテルまで1時間くらい迷った。徒歩10分の距離…なんで?

そこは通常に戻らんでええねん。





「その筋に関しての経験者」と自分で言っているくま(どの筋)がずっと話を聞いてくれていて、歌舞伎に行けることになったとき、「いちばんの良薬が手に入るね」と言ってくれた。

本当にその通りで、どうにもできなくて『千と千尋の神隠し』のおくされ様みたいになった私を救ったのは、自担に会えたという事実。


複合的な要因だとはいえ、アイドルを好きなのがきっかけでこんなにも心が荒れるなんて本末転倒でいやすぎて、ダッッッサ!!もうやめたいと心底思ったけど、またときめいてしまって、また絶対にやめられない。

おくされヲタクは、ただのヲタクに戻って通常営業している。

名のある川の主ではないのが残念。


去年は体感チケ運の調子が良くて(あ、歌舞伎は全滅ですけどね)、チケ業務には疲れつつも大体はなんとなくうまいこと回っていた。それで忘れてたけど、私はもらい徳のオンナなのだった。

誰かのやさしさに救われて、自担に会えることが多かった。そこに戻ったのかもしれない。


チケットを譲ってくれた方との出会いは3年ほど前で、これまで私じゃなくて友達が繋がっていて。その友達がチケツイをRTしてくれて連絡をもらえたのだから、縁のつながり方って何がどうなってるかわからなくておもしろい。

そしてFFでもない私に声をかけてくれたことに、心の底から感謝しかありません。本当にうれしかったし、ありがたかった!いつか恩返しができたらいいな。がんばれ?おれの運?

それと、飛び道具(青髭風味)を貸してくれた青い人もありがとう。光る城の方に足を向けて寝られない。おくされ様の話を聞いてくれた人たちも、見守ってくれた人たちも、連絡をくれたあなたも、本当にありがとう。みんなに薬湯の札を配りたい。


あと、いらない縁を切らなければ新しいご縁がつながらないこともあると忘れない。




春は大体苦い思いをするし、良薬を飲むにも苦い。

けど、今年度も変わらず苦いのその先を求めるヲタクという者です。