きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

始まりには青い月を


3月のはじめ、Aぇを一緒に愛でるお友達が増えた。

といっても、私のヲタク友達の数に変動はない。

そう、まさかの王たちのガーデンから関西のAぇお湯につかりにきた。しかも2人で。


そんなことある!?


っていう話。





2人との出会いは、3年前に遡る。

当時、私は花晴れ新規と呼ばれるやつをやっていた。

ずっと櫻井翔さんをベースにヲタクをしていて、けどもう緩すぎて、もはやヲタクとして存在してるかもわからない隠居生活の2018年。キンプリちゃんのデビューは、そんな私の耳にもふわっと届いた。

Jr.なんて若いし、多いし、全然わからん。今さら覚える気にもなれない。なのにヲタク的な刺激を受けずに劣化しきった脳みそに、あのキラッキラ王子様衣装、王子様ソング、花晴れ9話の「泣くかパンツ見せるかどっちかにしろよ!」がぶっ刺さった。体感、平野紫耀くんにみぞおち殴られてる(しぬぞ)。やばい…平野くん好き…!

ここから半年だけ、私はガーデンの住人となる。


なんせゆるゆる隠居ヲタク、現場復帰するにはブランクがありすぎた。嵐を愛でる仲間たちは若い子には別段興味もなさそうやし、でも私は平野紫耀くんに会うまでしねないし、新しく友達を作らなければ。

「同年代」「人としてちゃんとしてそう」「私と相性が良さそう」この辺の条件を胸に握りしめて、ツイッタランドで何年も放置していた垢を稼働させる。

王たちの勢いは凄まじく、若いヲタクが多いのかと思いきや同年代の同じような人が何人もいて、なんとなく声をかけたりかけられたり。その時出会ったのが、正門担の乙女と末澤担の班長。もはや私も含めて全員が平野紫耀の元カノである。


結局、私はその冬の帝劇に平野担で入って阿部担になって出てきた。変面のごとき鮮やかさ。

その時関係が切れた友達が何人もいる一方で、私が雪山に登ろうとも、Aぇお湯につかろうとも仲良くしてくれている友達も数人いる。ご縁がある人とは繋がっていくし、切れてもまた巡り会うこともあるし、ヲタクしていると人と人の縁の不思議を目の当たりにすることがある。


乙女と班長がまさにそれで、ずっと3人でゆるっとDMをしていた。はっきり覚えてないけど、仲が深まったのって阿部担になってからやもん。これは私のヲタク人生の七不思議。


内容はなんてことない話で、お互いの「好き」のことや他G担だから言えること、当たり障りのない身の回りのこと。

共通の話題がないのに(少なくとも私にはない)、なんでこんなに続いてきたのかも謎。でも私にとっては風通しがよくて、ただただ居心地がよかった。感覚的に2人のことが好きだった。2人ともやさしくて、包みこんでくれる感じがあって、心から甘えていたのだと思う。


私は仲の良い人に自分の好きなものを見せるのが好きで、乙女も班長も快く見てくれる人たちだったから、動画があがれば「見て見て!」って見せた。最初はSnow Man、途中からAぇ! group。別にハマってほしいと思っていたわけではない。ハマるとも思ってなかった。時折、王たちのものを見せてくれて、おお〜!こんななのかぁ〜!って見るのも好きだった。

そう、私は誰に何を見せる時も、ハマってほしくて見せてはない。ただ好きなものを「これ好きやねん!よくない!?すごくない!?」って見せたいだけの、子どもみたいなもんです。落とせるな?と思ったらガチのダイマを繰り出すけどね、そんなの滅多にないしね。



その、「滅多にない」イベントが唐突に起こった。閏年にしか来ない誕生日級のイベント。


私の大好きなドリパビの動画が投下された夜だったかその辺り、いつものように「見てください!」ってDMをした。

この時も、2人がハマればいいな、なんて思いはまったくなくて(本当に微塵もなかった)、むしろ、この2人がガーデンから出てくるなんてあるはずないと思っていた。

とはいえ、思い返せば班長は前から末澤パイセンのお顔が好きって言っていて、いつ何を見せてもザワの感想をくれていたし、年明けにはザワが出ていた『知ってるワイフ』のスピンオフを見るためにF◯Dに課金までしてたから、近いうちに落ちるかも?くらいには肌で感じていたかもしれない。


でも乙女に関しては、それまでだってなびく様子はまったくなくて、感想はいつも小島だった。なぜか小島。その日も小島…だったのに、ふと「私がAぇ! groupのヲタクをするなら正門くんかもしれない」って続いた。気軽にぽろっと出ただけの言葉かもしれないけど、びっくりした。小島の後に唐突に添えられた正門。どうした正門。

そのころ、いつメンの正門の女と何度目かの「もんビバエモい話」をしていたこともあって、ananに載ってたもんビバのエモい話を投下してみた。あ、もんビバって正門と小島のことですね。

「Aぇで一緒にユニットを組む前からずっとシンメ」「タイプは違うけど居心地がいい」そんな相思相愛な話だったと思う。それにプラスして、まっさんが事務所辞めようか悩んだ時に「おれが辞めたらこじけんどうするん?」って思いとどまった話をしてみたら、乙女に刺さった。

まじか。

それまで「永瀬の友達」というカテゴリーでしかない、顔も覚えられてなかった正門。俳優の磯村くんと間違われてたレベルの正門。なのにこの電撃により、突然どの動画を見せてもどんな話をしても水を弾くように反応してくれる。ベビさんの肌かよ。そして私の知らん間にまっさんを履修している。めちゃくちゃおもろい。


誰かが新しい世界に足を踏み入れる時の新鮮でみずみずしい空気には、相乗効果があると思う。私もすっごく楽しくなって「今や!爪痕残せ正門!」ってどんどん正門を投下したし、班長もノリノリで履修してくれたから、私の知ってるAぇのこと全部バラバラ!ってばら撒いて、3人であれやこれやとAぇの話ばっかり朝から晩までしていた。毎日飽きずに。LINEも知ってるのに、遡るの大変なのに、いつだってDMに集合していた。


タイミング良くあった、Aぇちゅーぶや配信で見れる番組たち。新しい番組も始まる。そう思うと、2人がこの時Aぇの沼にきたのは天の采配で、私が2人とここまで仲が続いていたのも、Aぇの道を一緒に歩くための伏線だったのかな?なんて運命的なものを感じてしまっている。





末澤担の班長とは、こないだはじめましてをした。私が歌舞伎に行った時に会ってくれた。なんせ仲が深まったのが私が雪山に登ってからなので現場も被らないし、今年こそ!と思ったら世界がこんな状況になった。このご時世なので、お互いに気をつけながら3年越し・念願のはじめまして。うれしかった!ずっと会いたかったから。

なぜ「班長」かといえば、とってもしっかりしている。現実的で行動力がある。過去から現在、その先にかけて情報を蓄積しては必要な時にスッと出してくれる(驚きの班長データベース)。そして博愛。広く、好きになった世界を愛する人。これはもう班長でしょう、一生ついていくでしょう。

会う段取りもポンポンポン!ってしてくれた。私はヘラヘラしてキョロキョロして、スマホを落として画面を少し割った。


班長はメロい。めちゃくちゃわかりやすくメロい。ザワにハマる前から「末澤くん」の文字の後には「♡」が見え隠れしていたし、ハマってからのメロは我々のメロを凌駕している…気がする。メロの種類ってヲタクによってさまざまやなぁと思うけど、班長のはロイヤルストレートフラッシュ・メロ。今や「せーやくん」のあとに常に「♡」ついてるもん。もう♡見え隠れなんてしてないもん、常設だもん。ていうか知らん間に「せーやくん」呼びしてるもん。


しかも、ザワへの愛がいい意味で重い。ケーキに例えたらガトーショコラ。甘くて、少し苦い時もあって、ずっしりしている。

京セラの『Firebird』の歌い出し、ザワが「見渡す限り…かわいい子ばっかやなぁ」って言うのが私は大好きなのだけど、その話をするたびに、なぜか傷つく班長。私はかわいくないから、って言うのがいじらしすぎる。突然冷静なマジレス挟む班長。そんなことないのに、ヲタクはみんなかわいいのに。

アイドルこそ博愛、ああいうのはもれなく自分も入ってるから喜んだらいいやつ!っていくら言ってもちょっとショボンとしてるから、班長がザワにはじめましてする時には、そういうかわいいいじらしさが吹っ飛ぶくらい、めちゃくちゃすげえのかましてほしい。





正門担の乙女のことは、例えるなら「女帝」と思っていた。平野紫耀くんのオンナだったからという、ただ王の対比としての女帝。

もちろん彼女が何を司っているわけでも誰を統率しているわけでもないけど、平野くんのイメージと彼女の持つ雰囲気に類似性を感じていて、壮大な担タレかよ、と思っていた。揺るぎないのに儚い、楽しそうなのに、どこか掴み切れない孤高とか高嶺とか、そういう。あと、ここぞというときの勝負感。なんか似てる。私にはないというか、多くの人にはない生まれもっての華がある人。

もちろん、いつもこんなこと考えて付き合っていたわけじゃないけども。アホな話もしていたし、大笑いしていたし、班長と3人仲良しで楽しかった。とにかく、そういうのも含めて私は丸ごと好きで。


まっさんを好きになってからの乙女は、印象が少し変わった。めちゃくちゃかわいい。とてつもなくメロっている。そのかわいさだって結局正門の担タレなので、変幻自在やん。そういえば一時期、平野と正門のオンナだから「平将門」って呼んでたことがあった。何時代なのか。

乙女はまっさんのことを「正門くん」って呼ぶ。最初は私につられて「まっさん」って言ってたのに、割と早い段階で「正門くんって呼ぼ」って言い出した瞬間、これガチで落ちるな、と思った。名字+くん呼びの真理。

てか、そもそもまっさんのこと「まっさん」って呼んでるヲタクはほとんどいないけども。まっさんてな。友達か。


乙女も情報収集と処理の速度が速い。雑誌解体の速度も速い。なんなら買いに行った帰りの車の中で解体するとか言った時は笑った。漁師かよ。

班長は広く隅から隅まで情報を掬い上げているイメージなのに対して、乙女はまっさん一直線。まっさんに狙いを定めて深く掘って貯めていくイメージ。それなりの量があるAぇの島動画も2、3日とかで制覇してたし、熱に対する貪欲な行動力がもはやロック。


まっさんを語る乙女は、好きな先輩をめちゃくちゃ慕っている後輩の女子みたいだなと思う。まっさんを見てキャーキャー言っているかわいい後輩女子ちゃんたちの中で、1人ガチめに炎を燃やしている感じの。炎は青。摂氏1000度を超えている。うん、強かわいいね。





私がSnow Manに落ちた時、「なんで?」ってめっちゃ聞かれた。「なんで、キンプリからSnow Man?」

当時の雰囲気だと、まわりがそう思うことも理解できた。デビューしたてのキラキラ王子たちと、Jr.歴の長い、どちらかというといぶし銀、職人な人たち。びっくりするよな。(あんまり不躾な感じのにはうるせぇな?とも思ってたけど)(えへへ)けど、「なんで」も何も、こういうのは電撃なので理由なんかない。言うなれば電撃が理由なので。電撃的に好き!となってしまうので。

私はこの道を選んで正解やったし、その先でまた新しい好きを見つけられたし、大好きな友達ができて、ヲタクとしては花マル9億点満点の人生だと思う。いろんな日があるにはあるけど(えーべ◯ねとかパラレルワールドとかいろいろある)(素直すぎる)、それも含めて9億点満点。


そういう経緯もあって、私は誰が何を好きになろうと「なんで?」とは聞かないけど(よほど仲良くてよほど気になったら聞くかも)、今のところ、雪山からもガーデンからも友達が同じところに来てくれて、うれしいし楽しいし話早いしラッキー!


2人がAぇを好きになってくれてうれしい。Aぇが素敵な子たちやから好きになってくれてうれしいのと、また同じグループを応援できることもうれしい。

また、というか、私のガーデン滞在期間半年、一緒のグループを好きだったという感覚がほぼないから、大好きな友達が同じ沼に来てくれた。初めて同じものを共有するのがうれしい。


2人のAぇにまつわる知識や情報を吸収するスピードがすごい。めちゃくちゃ速いよ、近未来かよ、リニアかよ。

2人とも私より遥かにこまめできっちりしているので、過去を履修しまくり、テキストというテキストを読み耽り、今はもう私より詳しいかもしれない。私の知らない間にめちゃくちゃ盛り上がっていた時もあったし(だいたい私は寝てるか雪山に帰っている)、2ヶ月弱で仕上がりすぎている。


新しい世界を知る時のわくわくとか、ドキドキとかっていいよね。2人のおかげで私もまた、その「新しい」の追体験ができてニヤニヤしています。


これから、ますます楽しみやな。2人が「自担」にはじめましてするのも楽しみやし、2人と同じものを見て、同じキラキラをいっぱい抱きしめて、アホなこと言って、聖地をめぐって。赤いポストも見にいくし、死神炒飯も食べるし、アクスタもかざすし、ペンライトも振りまくる。楽しみなことがいっぱいでンッフーが出てしまいそう。ンッフーはやばい。


30年以上生きていても、たいして「大人らしい大人」ではない気もする。しんどい時はしんどい、泣きたい時は泣きたい。愚痴も言うし仕事はいつだって休みたい(私は)。

でも、ヲタクをやっているおかげで、もう社会に出てずいぶん経つのに新しい出会いがあって、立場や背景に関係のない気の合う友達ができることがある。出会いは財産で、思わぬ伏線だってあるからおもしろい。


ヲタクやっててよかったなぁ、婆ちゃんになっても思い返したいなぁって思う。


アイドルは、私が生きる毎日の光であれ。

そして567は早く滅せよ。