きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

冬に夢を追いかけて


ずっと亡霊だった。去年のZeppに行けなかったトラウマが凄まじすぎて、そのあとドリパビに行けても、サマスペに行けても、楽しくない思考の深みにハマりがちな私は「Aぇの単独に一生行けないんだ」っていう呪いみたいなものさえ感じていた。マジで根暗のろくでもない思考。


この秋、Aぇの単独公演の発表があったときは「絶対行く!」って意気込んでいたけれど、オリックス劇場で4公演しかないなんて無理ゲーじゃね?ということで、ものの見事に外れた。オリ劇のキャパは2000人とかで、この公演数じゃ当たらないかと思わなくもないよね(公演数少なすぎ問題)。

案外物分かりいいふうの梅チャン、というか10/17以降、ドドンパに乗る如くすの担脳に戻っていっていて(ドドンパに乗ったことはない)(絶叫系無理やのに何でそんな例えしたん)、なんなら当落の翌週には阿部さんの誕生日公演が控えていたので、Aぇへの魂が完全にお留守で。

夏の私が聞いたらびっくりするよ。

現場終わりの私の情緒は誰得やねんていうくらい、本当に真っ正直にどっちかに振れる。もう少し器用にできない?

「できない」という食い気味の即答が、答えそのものなのだけれども。


阿部さんはすごい、Aぇのオンナになりたがっていた私を結局「阿部10」にするんだからすごi違うそうじゃない。今日その話は広げなくていい。心の鈴木雅之も言うとるわ。


阿部誕が終わればがんばるのかといえばそうでもなく、Aぇとか単独への熱が薄れたというよりも、とにかく身体が疲れ果てた。ここ1年半お茶の間生活をしていたのに、突然現場が続いて、心は満たされるのに身体がどんどん疲弊して、スノマニ大阪が終わるころには疲れの方が心を追い越していた。

もう、どこにも行きたくないんや〜!

何もしたくないねん〜!

お店でジタバタする5ちゃいのメンタルで、でも、行けなかったらまた後悔するのかなっていう恐怖もある。自意識ではコントロールできない亡霊の恐怖。延々そのループを生きていた。


追加で出たガイシのあけおめが当たって手持ちのカードは増えたわりにチケットのうんぬんかんぬんも全然うまくいかなくて、わざわざ詳しく書くことでもないから空気感だけ残しとくと、関西のソレは完全に異文化。いるヲタクもチケットの横行も、私が身を置いていたのとは別世界の様相がある。

なじめない、理解を示せない、そもそもの価値観が違う。

だからもう余計に疲れ切ってしまって、へばっていた。行けなかったら後悔するのかな、と思う反面、今の私なら、行けないことは大したことがないようにも思えた。


なんせ秋のAぇをずっと見てない。10/16まであんなにヘラヘラして好き好き!ってなってたのに、我ながら見事だった。大好きなグレショーも全然見てない。それは夜にホラーを見るの怖くて、再生するタイミングを失ったからやけど。

行けるなら行きたいけど、無理したり嫌な思いまでして行かなくてもいい気がする。それより身体が元気になりたい。

そんなだった。


単独を迎える週のきのこ占いで(信者かて)「結果じゃなくて諦めずにやり抜くことが大事」って書いてあったのでとりあえず鬼の無表情でやっておいたチケツイは(それ、どんな顔しとん)お友達みんなRTしてくれて、お友達のお友達も。

こんなの出てるよ〜って連絡くれる人もいて、それは本当にうれしかった。みんないい人だな、ありがとねぇって思いながら、鬼の無表情キメる。多分きのこ占いに「やり切れ」って書いてなかったら諦めてたと思う。マジ信者。


なんとなく今回は友達と入りたかった。とても1人で行くような気にはなれていなくて、ずっと2枚で探していたけれど、単独の幕が開く前夜、ふと1つのチケツイが目に止まった。1枚ずつの交換。

それは私といつもの正門のオンナの共通の友達がRTしていたものだったから正門のオンナも見ていて、「1人でも行ったらいいんだよ」って言ってくれた。

冷静に見つめた自分の感情、行きたいか行きたくないかと言えば、行きたいといえば行きたいかもしれないかもしれないかも、みたいな煮え切らん気持ちやったけど(日本語下手か)、それをきっかけにエイッ!とDMしてみた。どんだけ煮え切らんのか、生煮えの人参かよゴリッゴリやな。


タイミングとかご縁って不思議なもの。結局私はこの時のDMによって、翌日夜21時も過ぎたころ、そのまた翌日にあるオーラスに行けることになった。

ほぇぇ〜!なんか、ほぇぇ〜!

みたいな感じの感想だった。正門のオンナはニッコニコで「よかったじゃん!」って言ってくれて、あんたは本当にいいオンナだよ、と心でハグをした。ソーシャルディスタンス!


明日?マジで明日行くの?私どんな顔して大晴くんに会うんだろ…Aぇを見て、どんな気持ちになるんだろうか。とりあえずよく寝よう。話はそれからだ。



意外とぬかりなく、オレンジの服を用意していた。単独に行けなくたってあけおめ公演のチケットはあるのだから、1回は着るやろうと某ゾゾで買っていたやつは箱に入ったまま放置だったけれど、買っておいてえらい!

べりべりっと箱を開けて対峙したオレンジ色のそれ。カレッジ風ロゴの入ったスウェット地のトップスなのだけど、ロゴの色が青だった。ゾゾで見てたとき、そこはちゃんと見てなかった。


え、ドーキーズやん。めちゃくちゃドーキーズやんこの服なにこれ。

おれはこれを着るんか…突然自意識が火を吹く。めっちゃ恥ずかしい。


恥ずかしさを消化するために服を写真に撮って漁師に送ったら、ある点をツッコまれた。それまで気付かなかったけど、鳩尾のあたりに「M」って書いてある。青い文字でM、これはもう正門のM〜!

今はなんとなくオレンジ色の服がまずハードル高いのに(夏あんなに着てたのに?)、ロゴが青でドーキーズ大好きオンナって顔に書いてあるみたいな気持ち。その上ロゴのど真ん中に青い文字でM?M!?

今のメンタルにハードルが高すぎる。服だけ前を歩いてるみたいな、ピョン吉かよ。

梅吉、気後れしながらオリ劇に向かう。サマスペ初日に1人で行ってたオンナとは思えん。初めてのおつかいかよ。



チケットを交換してくれた方はとてもいい人で、4ヶ月ぶりのAぇの現場(しかも気後れしているモード)にはヤクルトくらいおなかに優しい感じだった。その人のお友達とそのママとの4連で、なんとなくハートフルで安心安心。よかった、今年は本当に人に恵まれている。





お席は1階後列下手側。同じオリ劇であったドリパビのときは2階の迫り出した席だったから、ここで正面から見るのは初めてだな。ステージが思ったよりも近く感じるのは、スノマニ慣れした成果か。


バンドセットがすでにあって、おや?これ大晴くんベースの時0ズレじゃない?と思ったらニヤニヤした。違ったけど(違った)(でもお立ち台?は0ズレだった)。

ステージの上の上の方に「Aぇ!」ってオブジェがかかっている。稲妻みたいなデザインでかわいい。それを見ていたら単独だ…って実感が湧いてきた。おそ。


体感は1人だし、とはいえいい人たちとの同行だったから安心できたし、でも「好き!」が高まっていないから割と気楽だし、で、ぬるっと開演。あんなに亡霊亡霊言うてたのに、そのぬるぬるは山芋とかなめこみたいなもので、人間味あるナァ私。


暗転したと思ったらBGMに合わせて速攻で出てきたAぇ。リズムに合わせて手を叩きながら自分の楽器の位置に着く。こんなすぐ出てくんの…!?ってあわあわするのは私。すでにカウンターパンチを受けてしまった我は完全にスノマニ脳、長めのオープニングに慣れ切っていた。


初日の夜まで行ける予定がなかったしT.A.B.O.Oの文字を見て拗ねていたから(詳しくはこちら𓅮)セトリもあんまり詳しく見てないし、確か1曲目は『NOROSHI』だったかな?くらいものもので。


目の前に広がる景色も、私の知らない人たちみたいなAぇで。この秋、お留守番にしてる間にすごく大人っぽく、凛々しくなったなぁって思った。

それは私がその場を離れていたのもあるけれど、その間にずいぶんいろんなことを経験したんだねと微笑ましくもあり、私はこの人たちに会いに来たんだっけなぁとわからなくなったりもして。それくらい、2歩も3歩も前を行っている気がした。


人見知り体質がこういうところで出る根暗。そんなごちゃごちゃ言うやつを吹っ飛ばしたのが3曲目、『証拠』だった。

WESTがこの曲を出したころ、この世は突然現れた感染症のせいで先がどうなるのかわからないような閉塞感に満ち満ちていて、そんなときにテレビで見たこの曲はなんてあったかくて明るい方を見ているのかと、どれだけエネルギーをくれるのかと思って泣いた。そのとき大好きになった曲だった。

証拠をやるのは知っていたけど、バンドでやるなんて聞いてない。聞いてないよ〜!!!


意味があるのかないのかわからないまま1曲目からのぞいていた双眼鏡(どんなモチベでもとりあえず自担をロックオン!のオンナ)、証拠が始まった途端に思考がシャキンとしたのがわかった。ぬるっと見ていた世界に色が差した。

バンドかぁ…!すごいなー!やられたぁ!!!!!

もともと証拠の持っている熱いものと、Aぇの熱いもの。それを表現するのがバンドだったそれはもうこの世のものとは思えない眩しさ。一瞬でスイッチが入ってしまって「好き!!!」ってなっちゃった。単純。

ものすごいエネルギーぶつけてくるから!大晴くんベース弾きながら目がギュッ!てなっちゃってかわいいから!!もう!やめて!?(やめないで!!!)


『勝手に仕上がれ』も見れるなんて思ってなくて…京セラに間に合ってない私が、あぁ、あの大晴くんのベースソロを見られるとは、、「大晴!」ってみんなに名前呼ばれるのを聞けるとは、、、これはマジモンの成仏やでと体感身体が透明になった。待って待って、魂落ち着いて。


あと特別良かったのが『Big Shot!!』。Big Shot!!大好き!これもやっぱり去年のステイホームの期間に姪っ子と甥っ子とYouTubeでめっちゃ見た曲で、本当に大好きと感謝が詰まっているもので。

しかもその曲をあの大好きな青衣装で、しかもしかも大晴くんセンターで踊り出した!!!!!!?

えー!!!!!!!!!!!!!!?

軽率に泣きかけた。重岡くんのことを大好きな大晴くんが重岡くんのポジションにいたり、重岡くんのパートを歌ったりしている。なにこれなにこれ!!よかったねぇ大晴くん!!!!私の好きが詰まりすぎてる!!!!


歌唱力とかパフォーマンスとか、そういった測りで順当にいけば、大晴くんは現状グループのセンターに立つ人ではない。誤解のないように書いておくけれど、スキルが全てではないのがこの事務所で、大晴くんはアイドルど真ん中であることは間違いないし、彼がダントツに輝く瞬間ももちろんあるのだけど、でもセンターに立つ機会というのはなかなかない。

別にセンターじゃなくたっていいんだけれど、でも、Big Shot!!でど真ん中にいる大晴くんがすごくうれしかったんだなぁ。

ニッコニコの笑顔で100%のアイドルを出してパフォーマンスする大晴くんの意気込みとか、そういうものも感じられたあの景色を忘れたくないなぁ。


『証拠』と『Big Shot!!』で開眼してしまった奈良さんいつからWEST担になったのか。通ってはないです、ないんですけど、でも歌の持つエネルギーが段違いで、その真っ直ぐさがAぇにとっても合っていて、パイセン歌わせてくれてマジありがとうの気持ち…!





まるで知らない人が目の前にいるような気になった冒頭やったけど、別に彼らの本質は何も変わっていない。

なにわがデビューしたからと言って、本人たちの何が変わったわけでもない。前からずっと全力で走ってる。夢を追いかけて走ってる。


『空言オーケストラ』で繰り返される「夢を追いかけた」の歌詞が胸に刺さった。いつだって変わらず、熱く夢を追いかけてる人たちの横1列の並びと纏っている決意と降ってくるキラキラがきれいで、ちょっと泣いた。


大晴くんが最後の挨拶で「2011年に入所して10年、いま先頭を突っ走ってます!口に出した目標を何でも叶えられる、そんな最高のアイドルになります!」と、そんなことを言っていて。

すごく頼もしく映って、未来が楽しみになって、知らない人みたいに大人な気もしたし、でもやっぱり何も変わっていないから。


私にはいま大好きなアイドルが2人いて、その時々でどっちを見ているか、自分でもコントロールできない究極の気まぐれだけれど。

でも、私の大好きなかわいいの天才が最高のアイドルになるために駆け抜けるその道をまだ追いかけていきたいと思った、夢を追いかけるところを見ていたいと素直に思った、そんな単独でした。




亡霊が成仏した記録を大晦日にポーンと置いておきます。(白の王子様衣装も見られたんだぜ!?信じられない!)

そして私の2022年ジャニーズ初めは狼煙。かわいいの天才との冬、楽しみだな。


では皆さん、良いお年を!