きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

かさぶたは剥がさない


私は今、自担のファンをすることを休んでいる。

決めたのは14日、新曲の発売日。なにもそんな日に決めんでもと思いつつ、でも間の悪い私らしいタイミングだなぁとも思う。


イッタランドにはずっと不調をぶちまけていたし、ここにも繰り返し書いているようなことやから、読んでくれる人たちにすれば(お察し)というやつかもしれない。

ここは私の整理の場なので、今日もいつものようにああでもないこうでもないとこねくり回します。そろそろパンでも焼けたらいいのにね。


今楽しくグループを愛している人たちにすれば意味わからんやろうしテンション下がるかもしれないので、それなら読まない方がいいです。「好き」のエネルギーは素晴らしいので、わざわざこちらを覗かなくて良い。アドバイスの類は間に合っているし、いろいろ邪推されたくもないので。


うっかりたどり着いてしまった人は、そんなパンもクッキーもスコーンも焼けないコネコネ興味なかったら銀鉄の感想文でも読んでください。楽しいよ。

鮮やかに挟み込む。





とにかく距離を置きたかった。

本当にギリギリのところまできてしまったと思った。

大袈裟じゃなくて、このままではグループを嫌いになってしまうと思った。


逆に言えば、あんなに荒れていながら、まだ嫌いなわけではなかった。好きでいたいと思っていたし、私が抵抗感を持っていることの全部を受け入れて、楽しくヲタクしたいという気持ちもずっと心の奥底で握りしめていた。


でも、ああもう無理だなって思ったのが13日の夜。


ツイッターのTLが「ミリオンおめでとう」であふれかえる中、何もかも、まったく喜べない自分がいた。


すごいことやとは思う。


でもよくわからん。


全然ついていけない。


これまでも、私の情緒などおかまいなしにどんどん上がる加速度に面食らったことは度々あった。その速度F1か?音速か?私の脆弱の極みの三半規管がやられまくっている。

デビューって、こんなに環境変わるの?と思った。Jr.じゃなくなればこれまで以上にさまざまな責任も生じるし、変わることを理解はしていた。けど、思ってたんとちょっと違いすぎた。いいこともあったけれど、いいことばかりではなく思えた。というか、私が好きになったはずのものが変わっていく気しかしなかった。

変わっていくことは一概に悪いことではない。変化しないものは朽ちていくだけかもしれない。でも、その変わり方がなんだか歪にしか感じられなかった。バランスの悪い気持ち悪さがある。背骨とか骨盤ゆがんでるみたいな、それ。

だから私が好きになったものとは別物なんやと思おうとしていたし、その理由とか裏付けとか、そういうものをいつも探していた。もっともらしい言葉で納得したかった。


私は本当に自担が大好きで、だから絶対に離れないんだっていう意地だけでここまできて。

でも、意地だけで走り続ける私に、容赦なく壁が立ちはだかる。それも連続で。ぬりかべに次ぐぬりかべ。ぬりかべハードル。ぬりかべ障害物走。令和の鬼太郎大運動会かよ。



何度も書いている呪いの歌割格差。これがとにかく何がなんでも納得できない。

私が納得できなくたって地球は回るんで、どうぞ回ってくださいって感じやし、「映るだけでうれしい」「そこでかっこいい姿を見られるからいい」「与えられた仕事をパーフェクトにやりきる自担かっこいい」そういう人たちのことを否定するつもりはない。それは素直に素敵なことやと思う。でも私はやっぱりどうあがいても、そうは思えなかった。いや、かっこいいは毎度めちゃくちゃ思うけどな。世界一かっこいいアイドル。

自担に非なんてないのに、明らかに抜かれないし歌えないの意味わかんない。歌番組を見るのが、ものすごいストレスになった。

自担絶対絶対かっこいいから、本当は見たい。グループのパフォーマンスも本当は好き。でも、その何倍も落胆するのも目に見えてる。またこれだよ、って思う。


それをデビューから4枚分。何の苦行かな?これに耐え抜けば菩薩にでもなれる?悟り開いちゃう?

なんで「ソロがあった!」「カメラで抜かれた!」って過剰に反応したり安心したりしないといけないのか。あって当たり前であるべきものではないのか。過小評価的な違和感、もっとバランス取ってできるやろ、っていう嫌悪感。何の基準で決めてんの、そんなに格差つけたいなら総選挙でもしてよ、って思う。

自分の中のどす黒いところに飲み込まれる。こんなメンタルが私に与えたのは孤独でしかなかった。


みんなが楽しそうで羨ましかった。字だけの世界で汲み取れることなんてほんの一面でしかないから、みんながみんなおもしろおかしくハッピーに生きてるなんて思っていない。

けれど、楽しめている人たちとの間に横たわる溝は深まる一方で、人と楽しく話せなくなっている自覚もあった。周りに気を遣わせているのもつらかった。みんなうれしそうでいいな、なんで私はこんなに残念な人間なんだろう。そもそもアイドルを見ていてストレス抱えるなんて、それこそ本末転倒やん。

本当は好きだけを並べたり、好きをおしゃべりしあいたいのに。何やってるんやろ。


ずっとその思考が止まらなかった。何もかもと距離を取りたかった。




多分、今ヲタク外で抱えている不安なことやしんどいことも一緒になって膨らんで、こうなっている。原因は複雑に絡み合っているから言葉になるものだけではなくて、響きほど単純ではないと思う。

でも、応援していたはずのグループや、それを取り巻く環境が私の心に影を落としているひとつになのには違いない。

与えられたものを喜んだり割り切ったりできないなら、私にはこのグループのヲタクをする未来はないんだろう。もうやめちゃおうかなって何回も考えた。でも、あんなにもデビューしてほしいって願っていた人たちのことを手放したくなかった。


私は6人の時代に彼らと出会って好きになった。すごい人たちと出会ってしまった!って自分の目がキラキラしたのがわかるほど大大大好きになった。出会えてうれしいって心の底から思った。

王子様的なグループからこちらに来たので、当時いろんな人に「なんで?」って聞かれたけど、この良さがわからんなんてもったいないなってずっと思っていた。パフォーマンスも関係性も空気感も、本当に大好きだった。絶対に6人でデビューしてほしい、その気持ちの強さは日に日に増すばかりだった。

増員した時はショックやったけど、増員した子たちもいい子そうやったし、受け入れるのがいちばんいいのだと割と早い段階で判断した。新体制でも好きになれそうって思ったし、デビューが決まった時は本当に本当にうれしかった。ヲタクしてきて、これまででいっちばんうれしい出来事だったかもしれない。


今のままだと、たくさんもらってきたうれしい気持ちさえも粉々になりそう。そんなの、ヲタク人生の危機すぎる。


けどもう頭の中はこんがらがってしまって、蔦みたいに絡み合って、正直何が嫌なのかわからない。しんどいことが積もり重なって、何も見たくない。


だから線を引いた。


よく連絡を取る人にだけ「休憩するから自担にニュースがあったら教えてね」とお願いした。

あと、ツイッターでグループ名をミュートした。ネタバレ回避のために生み出した鉄壁のミュートが得意技やけど、まさか自分が好きなグループをミュートする日が来るなんて思わなかった。ヲタク人生は妙なところで趣がある。


大型歌番組やテレビの露出も見ない。CDも開けてない。

そろそろ1週間が経つけど、心がちょっと穏やかな気がする。無意味なイライラがなくなったし、誰かと私の思考を比べたり、羨んだりすることもなくなった。


でも、ものすごく自担恋しい。めちゃくちゃ恋しい。なんなら休憩したその日の夜には恋しかった。秒ジャン。


「好きな気持ちがあるのに別れを選ぶ」とか、そういう繊細な気持ちを経験したことはないのだけど、こんな感じなのかなあと思う。距離を置くとか別れるとか言いながら何回も復縁するカップルっているよね〜。

そういう意味ではドライに生きてきた私、人生の勉強。


自分で決めておきながら、なんとなく不安もあった。また戻ることはできるのか。デビュー2年目の今この時を追いかけなくていいのかなっていう迷いやさみしさもある。私の2021年の夏に自担がいないの、すごくさみしい。

でも、「逃げじゃなくて手段だよ」とか「あの夏はさみしい気持ちになったなって、一緒に生きた証みたいでかっこいいじゃん!」とか、私の命の母たち(友人です)が言ってくれるので、うれしかった。救われた。

自担かっこよかった?って聞いたら、くわしく教えてくれる友達もいる。こんな雑誌出ますよ!って教えてくれるかわい子さんもいる。ほかにも、気遣ってくれる人たちみんなにめちゃくちゃ甘やかされている。ありがとう。


先週末は心許せる人と会って、久しぶりに自担の話をたくさんした。私、自担めっちゃ好きやん〜!!って思った。音楽の日もお店で少し見た。最高だった、世界一かっこよかった、むしろ世界だった。マジ世界!

少しずつやけど確実に、私の中のいろんなものがリセットされている。濾過に近いかな?ぽむ隊長のあの濾過装置を心に据える。ちゃうちゃう、あれなんか間違えてドロッドロの水出てたやつやからあかん。


いつまで休憩するとか、どうなったら休憩はおしまいとかそんなの何も決めてないから先のことはわからないけれど、ツアーがあれば行きたい。友達と4人で入りたい。そして何より、私は自担のところに帰りたい。自担のヲタクをしたい。ただ元気に自担に恋です!って言いたい。歌って踊ってるところ、大好きだから。


できたら、またみんなのことを好きになれたらいい。

いろんな日があるから、かさぶたがぺりっと自分からめくれるまではのんびりしてようかなと思う。