きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

漁火と遠雷


私はめちゃくちゃ調子がいい時か、真逆の圧倒的に調子が悪い時、掛け持ちがうまくいく。これ、ホントにどうにかしてほしい。平常時に頼むよ。

最近はどちらのことも大好きだな〜と思っていて、掛け持ちのバランスが取れてるなって気付いたその時は、調子がいいのか悪いのか自分ではわからなかった。


どうも負が回っているみたいだ、と気付いたのは1ヶ月前。そこからずっと低空飛行で、空元気を振り回して日々をぬるっとこなしている。

楽しいこともあるし、おもしろいこともあって笑ったりもするし、某番組の感想文もきっちり書いていて普通なのだけど、ずっとモヤモヤしたものに思考回路が絡め取られているような。蜘蛛の巣が張っている感じ。

そういえばベランダに小さい蜘蛛が延々蜘蛛の巣張ってくるんですよ。洗濯物干す時にエイ!って蜘蛛の巣を取る→夕方取り込もうとしたらまた張ってるフリダシに戻る。ヲタクと蜘蛛の世界一どうでもいい仁義なき戦い。どうにかしてほしい。

蜘蛛は今すぐ引っ越せし。引っ越ーし!引っ越ーし!さっさと引っ越ーし!



こういうモヤモヤしてる時に限って真面目に考えすぎるタイプなので、さらに厄介なのが私という者。

以下は前に書いたえ◯べ燃やす!!の記事と同じようなものですが、進化系です。ピカチュウがピチュウ?いや、それじゃ逆か。ポケモンのことは詳しく知らんけども。

ていうかシンプルに続編。





新曲の解禁。MV初解禁。歌番組初披露。

それは私にとって心の合戦である。武将か。関ヶ原か。


自担がデビューしてからこっち、私はそれはもう立派な歌割モンスターである。歌割、歌割、また歌割。気にしなくても気になる歌割。自覚はある。

「今回はどれぐらいパートがあるかな?」このセリフがピュアピュアなワクドキならいいのだけど、手に汗握る心境。ロケをするなら海辺の崖っぷち、火サス。家政婦も木陰から見ているかもしれない。


そんな火サスを6月は数回やっている。テテテ!テテテ!テ〜テ〜!!!(あのテーマソング)(正気か)

新曲のMV解禁の時のこと。その日は仲良しが紆余曲折ののちやっと自担に会えていて、私もうれしくて気分も良くて。おうちのことゴソゴソしてたらちょうどいい時間だったから、タイミングよく解禁時間にテレビをつけた。


画面に曲名が出た瞬間にふと気付く。

あれ?そういえばこの曲、自担はどれぐらいパートがあるのだろう?

長丁場の現場にいる彼らを遠巻きに見ていた最近、忘れていた感覚を思い出してしまって、合戦の法螺貝が脳内で鳴り響く。脳内で始まった唐突な大河ドラマ


結論から言えば、いつも通りだった。平常運行。同じ人がたくさん歌っていて、たまにパートが挟み込まれる人がいて。これがこのグループの計算式なんだ、と、小さく肩を落とす。

崖から誰も飛び降りないどころか崖っぷちでジリジリもしないモワッとした火サス、誰も死ななかったけどなんとなく負けちゃって情けなくてとぼとぼ山道を歩く大河ドラマ。山場はないけど何となく悲しい。船越英一郎もぼんやりパトカー乗って帰るやつ。

怒り狂ったりしなくなったことは「慣れ」なので、いいように見えて、ある意味悲しいことかもしれない。


前も書いたけど、別に特別扱いしてほしいわけじゃない。特別扱いして奉られて“時の人!”みたいになってほしいわけではない。特別扱いしなくたって私の中では圧倒的に特別なので、必要ない。

けど、やっぱりその配分に差がありすぎると思ってしまうの、私は。しかも毎回同じパターン。この人たち5人組だっけ?歌とダンスで役割分けてたっけ?歌割する人、寝てんじゃね?多分寝てるよね、起きて。もちゴリ先生に歌割のこと習ってきてくれん?

嫌な言葉ばっかり頭を駆け巡る。


私の自担は、いつだってパーフェクトにかっこいい。世界一!!顔小さい、スタイルいい、爽やかやしダンスも上手い。なんてこった!!!!!!兵器か!恋死にそう!!

今回の曲だって、私のモヤモヤの狭間に「かっこいい!」「好き!」「ここめっちゃいい!」もちゃんと挟まっている。桶狭間か?あ、これは語感だけで書きました。下手なラッパーでもそんなこと言わんやろ。


彼は与えられたところで、自分の持てる力を充分どころか十二分に発揮する人。求められてるもの以上の答えを出す人。それが各方面の仕事に繋がって、努力で自分の道を切り拓いてきた人。私はそういうところを人間的にも尊敬している。

だからグループの中でどこにいてもめちゃくちゃ輝いているし、私の目にはそこしか見えないし、キラッキラ光っていてまぶしい。


歌番組の時、自分が映るターンで毎回違うパターンのものを見せてくれる。ランダムに抜かれてた場所が彼のタイミングになっていく。そういう場面を何度も見てきた。自担すげぇよ!かっこよすぎんか!!!?

だから、最初は怒り狂ってた3曲目だって今は大好きで。マァ、簡単なヲタクですけど、でもそれだって自担が輝きを放ってくれているからそうなれている。


自担が大好きだから、やっぱりかっこいいし美しいし王子様みたいだから、まだ見ていたいと思う。

けど、やっぱりこの解禁のたびに沸いてしまうモヤモヤを飼い慣らす術が私の中にない。毎回悔しい。私も飽きんとよう毎回やりますよね。季節行事か。

どこにいたって大好きな自担に変わりはないのに、それだけで満足ができないのは間違っているのだろうか。


今は、私はグループを好きではないと思う。自担は好きやけど、グループは好きって言えない。あんなにすごく好きだったものを好きでいられないことは、結構つらい。グループを好きでいたかった、丸ごとみんなを好きでいたかった。でも今は難しい。誰も悪くないのに、見ているだけで嫌な気持ちが沸いてしまう。それならグループを好きなんて気持ちは捨ててしまった方がいい。





最初のころは、私からは意味なくアンバランスにしか見えない体制で自担が悔しい思いとかしていたら嫌で怒っていた。私の気持ちより、本人がどう感じているかが気になって、せっかくデビューできたのに1人だけソロがないの悔しいよな、とか、なのにあんなにキラキラ笑顔見せてくれるのかっこいいしすごいな、次こそはもっと見せ場があったらいいな、とか。

そういうのを3曲経て4曲目、もしかしたらその思いが、今は私のエゴの方が強くなってしまっているかもしれないと思い至る。自担の気持ちどうのこうのより、私がこのグループの売り方についていけてない割合のがでかくなってないか、、?


だから、今回こそできるだけグチグチ言わないでいたいって心に決めた。一応ね、一応決めていたのよ。

私がアイドルなら自分のファンがこんなことばっかり考えてたら嫌やし、つらい思いさせてごめんな…って申し訳なくなると思う。とか考えてたら泣いちゃいそうやな。

この大SNS時代、いつ何時自担にTL覗かれたとしても、悲しまれないような、喜んでもらえる言葉を並べておきたいとは常々思っている。秒で無理やねんけど(改行さえしない)、でも、本当なら好き!かっこいい!!恋です!!で埋めておきたいじゃない?ドリカム構文より濃いめの。


と思う反面、解禁日にただただ楽しそうな人のことが羨ましい。羨ましいし、それがヲタクとしての大正解だと思う。どうして私はそうなれないのか、余計に羨ましく、もはや自分が残念の極みのように思えてくる。

ヲタクはただ楽しくしたいし、そうあるべきだと思うのに、こういう私のめんどくさい思考回路は自分でさえ付き合いづらい。


今は思考がコインランドリーで回る洗濯物のごとくグルグルしている。


でも多分、新曲も好きになる。わかってる。歌番組で歌っているのを見たら、そのパフォーマンスを何回も見たら絶対に好きになれる。そうやって、このややこしい私をやさしくなだめて、また一緒に連れてってくれるのが私の自担という人だ。自担には絶対的信頼しかない。





難しく考えすぎるのが私やし、それでも結局好きをやめられない。全部全部わかってるけど言いたい、整理したい。じゃないとモヤモヤに包まれて落ちていきそうな今日このごろ。

そして、これに対して誰に何を言ってほしいわけでもない。人は人、私は私。何に相対するにもそれは忘れてはいけないなと思う。


こんなにめんどくさい思考しかできない、ただ「楽しい」ができなくて、きっとヲタクだって本当は向いてないのに、それでもやっぱり私はその手を離したくなくて、こんなになってまで私に手を離させようとしない自担は世界一かっこいいから、少し休憩したらまた「楽しい」を拾って集めていく旅に出る。