きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

京セラドームの宙に浮く


Snow Man、宙に浮いてんちゃうか」

初ドーム初日、そんなことを思った。

演出等々で物理的に浮いてるということではなく、あまりにウキウキとしている彼らから感じ取ったもの。


デビューして、私も友人たちも、そしてきっと本人たちも予想もしていなかったほどの人気が出て、「ドーム」の存在が近くなるのに時間はかからなかった。

“東京ドーム”が夢の場所だったのは知ってる。8.8のデビュー発表のときのことも、しっかり覚えてる。

でも、まだドームは待ってほしいなぁというのが私の本音で。

加速度的に出る人気についていけない。お茶の間で話題の彼らと私が好きになった彼らは同じ人たちなのか、もうそれすらも疑わしいくらいに、みんながSnow Manを知っている。

そんな環境になじめない、まだ私の知ってる世界にいてほしい。


自担にはいつだって幸せでいてほしいけど、でも、ドームになんて立たれてしまったら、本当に知らない人たちになってしまうようで怖かった。二度と会えないんじゃないかという妄想にも取りつかれた。

私の中に根付いている、まじもんの根暗がはりきっている。


とはいえ、ここ2年なんとなく「ドーム」の3文字はずっとつきまとっていたので、今年はドームやるんだろうなとは思っており、発表があったらあったで「絶対行く!何がなんでも行く!!」「初日が大阪!?行くでしょう!!!!!!!」と天性のガッツが顔を出した。「もう二度と会えないかも」の繊細さはどこへ?


そして、そんなガッツと時の運が手伝って、「Snow Man 1st DOME tour 2023 i DO ME」 初日、私は京セラドームにいた。





前の日に別の現場があったり、妙に仕事が忙しかったりして、ドームに思いを巡らせるだとか、あれやこれやと考える暇のないまま迎えた5月26日。

せっかくなんだから、めっちゃ楽しもうという、その気概だけ。

83パーセントの根暗と、17パーセントの陽キャがシェアハウスしてるのが私の内面なのよ。


席は下手側アルファベット列で、ドームに行く機会が多かったころ、アルファベットいいなぁ見やすいなぁとよく思っていたのを思い出した。この日も「アルファベットってほら!見やすいとこやん!!!」と、確か口に出して言ったと思う。相手はくまです、渡辺担の方のくま(?)


実際に席に着いてみると、センステから伸びる横花の延長線上あたりで、外周から8列目くらい。えっ近、近ない?ドーム…えっ近ない?

ドームに入ったら「Snow Man遠くなっちゃった」とかありがちなことを思うのかなと思っていたのに、ドームは広くてでかいけど、メインステもセンステもよく見えそう。視界良好で良い◎



18時開演。

どんな顔して出てくるのかなぁ。誰かは泣いちゃったりとか、するのかな。

そんなことをなんとなく考えていたけれど、オープニング映像の阿部さんがフードをかぶっていたものだからギャンギャンにテンションが上がってしまって、秒で忘れた。フード萌えは我ながらチョロい。

わくわくさせるセットの雰囲気やオープニング映像、そこに加わる照明や9色のペンライトが煌めく景色や、熱気と高揚感。「楽しい」がドームで渦巻く。


オープニング映像でカウントダウンの後、でーん!と(でーん?)セットの上から出てきた9人は、めちゃくちゃいい顔をしていた。

目ぇキラキラというよりバッキバキ、メイクは濃いめで、ヨッ、ドーム仕様!脂の乗ったぶりよりぷりっぷりの(これは書きがちワード)今をときめくアイドルたちの顔つき。


歓声がすごかった。声出し解禁になってから初めてのコンサートで(スノラボのときは途中からやったもんね)、あと、初めて彼らに会える人が多かったのもあると思う。

デビューして初めて歓声をど正面から浴びて、どんな気持ちだっただろうか。しかもそれが5万人って、桁がバグ。うれしかっただろうな、久しぶりに身体ビリビリしたかな。


D.D.、キッシン、Grandeur、出したシングル順に並ぶ冒頭の選曲は、生真面目なSnow Manらしいなぁと思った。私の出会ったすの6は、例えば少クラでゲームをするとなれば、笑いをとりにいくというよりは生真面目にゲームをする人たちで、そういうところがかわいらしくて微笑ましくて好きだったので。


ムビステで客席の上を通っていくGrandeur、それを私の席からは横からになるのだけど、見ていて思った。「あの人ら、マジで宙に浮いてない?」

D.D.やキッシンのときもうっすら感じていたけれど、いつもの振りだったGrandeurの動きでそわそわと浮ついてるのが伝わってきて、めちゃくちゃおもろい。

(おもろい)

もちろんふざけてるわけじゃなくて、でも明らかにいつもと違う。パフォーマンスの中にうきうきした感じがにじんでるというか、空気が妙にふわふわふわふわしてて、かわいすぎやろ!と笑ってしまう。

後から「みんな立ち位置とかめちゃくちゃで、ぶつかりまくってる」となべが言ってたので、マジだった。さすがのSnow Manもそんなふうになることがあるんだなぁ。


そんなふうにちょっと笑いつつも、Grandeurと動くムビステ、そこから見える景色はきっと夢の景色なんだろうと思った。今、彼らは“夢”の中にいるんだなぁと思うと、ドーム良かったね、おめでとうって感動してしまったな。


私から見えている阿部さんという人は割とどんな局面でも冷静で、あのデビュー発表の混沌とした中でとか、配信のデビューコンや歌舞伎の大千穐楽でメンバーが泣いちゃったりするときでも涼やかに微笑んでいる。穏やかな人柄の中に一本筋がピシッと通っているのが伝わって、そういうところも大好きやけど、そんな阿部さんさえもふわふわしていて本当にびっくりした。

冒頭からすごくテンションが高いと感じることや絶対浮ついてるやんwwwwwwと思った瞬間が何度もあって、阿部さんが我を忘れるというか感情が先に走ってしまうなんて…いや、そんなのかわいすぎちゃってるが!?!!!?最高かよ!!!!!!!!!!!!!!

(MCで着替えから戻るころにはいつも通りの雰囲気なのが見て取れて、(あっ、落ち着いた)って思った)

そういう意味でも、ドームはすごかった。


セットやと思ってたフロートが動き出して(めちゃくちゃびっくりした)、1人1台でドームを回って、バクステの位置ではフロートのリフターになってる部分が上がっていったりして(1台何役なの)、しかもそれがすごく高く伸びて(高すぎない!?ってヒヤヒヤ)、その上で始まったスノワ(しかも踊るん!?)。

そこでニコニコと歌って踊ってファンサしてる阿部さんを見ていると、なんだか心が洗われた。

キラキラが舞う中で笑っている阿部さんがあまりにもアイドルとして美しくて、「ドームはまだ待って」と思っていた気持ちが晴れたのは、このときかもしれない。


Cry outは会場が揺れるくらいの熱狂。近年、待ち望まれていた曲なのは知ってるけど、私にとってはJr.時代のオリ曲の1つで、ここまでの興奮をつくるエネルギーがあるとは思ってもみなかった。なに、幻のポケモン

ペンライトの縦揺れと、これでもか!という勢いの火柱や花火を呆然と見ていた。花火、そんなに上げてええんや…ちょっと笑った。くまも笑ってて、なんか2人で笑いながら見てた。

パフォーマンスもお祭り騒ぎというか、各々思いっきりのはしゃぎっぷりが乗ったパフォーマンスで、なんか本当に“祭”だったなぁ。あの会場中のエネルギーがあれば、5万人のスマホが一瞬でフル充電されそうではある。


怒涛のダンスパートを経ての挨拶、そして「あいことば」。

挨拶はそれぞれの形で情緒がダダ漏れしていた。阿部さんがファンの人がいたからドームに立てたのだということや、「ここに連れてきてくれてありがとう」とキラキラと言ってくれたその言葉の中に自分も少しは含まれているような気がして、そんな喜びまで分けてくれてうれしいな。

あんなにキラキラした目を見せてもらっては、大好きが爆発してしまう。


「あいことば」の3:3:3のパート、私はだてあべふかが大好きなので防振で熱心に見ていたら、いざ3人のパートが始まった途端に、隣から「ねぇ渡辺くんが泣いてるんだけどぉ!」とバカでかボイスが聞こえる。くま…くまの情緒…!マジでカウコンのデジャヴすぎてウケた。

(くまはカウコンで阿部さんのシャッフルメドレーを双眼鏡で見てる私の肩を揺らして「次、渡辺くんがいるよ!!!」と目をキラキラさせてた人)(無邪気)(めちゃ揺らすやん)

泣いてる渡辺くんは、だてあべふかのパートのあと見せていただきました。大変おかわでしたね。


あいことばの終わりの方で、阿部さんが目をシパシパさせたり上を向いたりしていたから、もしかして?と思っていたら鼻の頭が赤くなってきたので、あっやっぱり泣きそうなの我慢してるんやってわかった。さっきも書いたけど、阿部さんのそういう感情の揺れを感じる機会があまりないので、“初ドーム”は本当に特別の特別なんだとそこで実感して、あぁぁ…よかったねぇ。よかったなぁ。

そういう姿を見られることは阿部さんを応援していてとてもうれしいことの1つなので、私はこのときの記憶をまた大切にしまっておきたい。



夢の景色を見ている、東京ではないけど「ドーム」での単独コンサート本番を初めて迎えた人たち。

客席は、仲間たちのことは、どんなふうに目に映っただろうか。想像なんてできないけど、その目の煌めきからは楽しいんだなって充分すぎるほどわかるよ。

私もその夢の中にいられて、素直にうれしい。





初ドームツアーの初日、自分の大好きなアイドルの夢が叶うときに立ち合えたなんて、私にとってのヲタクとしての宝物。

あんなにガッチャガッチャした雰囲気の阿部さん、見られるのドーム初日だけ!(いや、知らん知らん)

ガチャガチャしてるだけではなくて、メンバーと目を合わせあってうれしそうなところとか、大きな目をキラキラさせているところをたくさん見られて、私の中にも、根暗な思想を打ち消す「来れて良かった」が満ちあふれた。


パンフレットで阿部さんは、自分たちの本業の1つであるコンサートを生で見られないファンがいて、残念な思いをさせてしまっている、だからグループの成長の証とは別で、今回のドーム公演はそんな人たちに見てもらうための意味も大きいのだと言っていた。

セトリはアルバムをベースにSnow Manの「王道」を目指したというよなことを言っていて、私は「Snow Manに出会ってくれた人、ようこそ!」のセトリのように感じていたので、“今”のSnow Manを表すセトリという点で同音異義語的な?私の感じたもので合っていたかなという答え合わせ。

なんとなくZZLとかAcrobaticとかメキホとか、Jr.のときの曲も聴けちゃうのかなぁと期待してしまっていたので、それはまたの機会(周年とかになるのだろうか)にとっておこう。


あとコンサートとは直接関係ないけど、自分の武器を使ってさまざまなメディアでSnow Manを知ってもらう入り口になりたい、その先でほかのメンバーを好きになってくれても全然いいということを言っていた阿部さんのその思いって、Jr.のころからずっと変わってないんだなぁということも改めて教えてもらって。私の知らない人たちではなくて、ちゃんと私が見てきた阿部さんだった。

「私の知ってる人たちなのかもわからない」とか、私はいつも暗い方にばかり考えが突っ走ってしまうけど、阿部さんは何も変わっていなくて、そんなのコンサートで見ればわかることなのもわかりきっていることだけれど、こうやって文字になっていたこともうれしかった。パンフレット、有益。



そうそう、あと、これは大切な思い出なんですけど、初期から使ってる名前うちわしかなかった私にくまが「撃って」っていううちわを貸してくれて。ファンターナモーレでフロートが来たときに見せていたら、まさかの「ばーん」をもらいました…!こんな王道のファンサ初めて!!!!!ヒャフ!!!!!!!!!!!!!!

その直前までアリーナの方向いてたから、あぁさすがに今回は無理か…と思ってたら、こちら側に振り向いた瞬間くらいのタイミングで撃たれてたよね…視野がシマウマの殺し屋なの…?

しかも撃つとき「ばーん」って言ってるらしいから(くま情報)(私は覚えてない)、阿部亮平さん罪深いアイドル…あぁぁ…




さて、幸にあふれていた京セラドームから1ヶ月と少し。いよいよツアー最終の地・ナゴヤドームへ。ありがたいことにそこにも居合わせることができる今回、思いっきり楽しんで、ドームの空気を吸ってこようと思う。


(2023/07/01、名古屋へ行く特急の中で書きました、の記録✎)