きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

正、門


おれたちの正門良規(Aぇ! groupの正門良規くん、私はまっさんと呼んでいるのだけども)がこないだまで 『染、色』という舞台の主演をしていた。

ジャニヲタの多くは、耳にしたことくらいならあるのだろうか。NEWSのカトシゲ先生原作・脚本の作品で、まっさんの初主演舞台。


先週末、公演の配信があったので私も観てみた。

私の仲良しには正門担が2人いて(Aぇの友達4人中2人正門)(正門の濃度)(さすが正門ヒゲ濃いだけある)(いいぞ正門)、2人ともが『染、色』を観に行っていたので話には聞いており、相当に難しそうな話だと思ったら、


なるほど、わからん。


私の感想を読みたい、私に染、色を見てほしいって言ってくれていた正門担の乙女の期待を見事に裏切った。なんのこっちゃわからん!!むずい!!繊細すぎてむずい!!!!!!

私は繊細な人間だとは思うけど(自分で言うのもなんやけどな)、この手の繊細さに想いを馳せる器量はない。各々で考えて答えを導くスタイルが苦手。本は結末から読んでしまいたいし、クイズだって考えるより先に答えを知りたい。クイズ部に自担が2人ともいるというのに。

東京千穐楽を観て、まっさんに答え合わせしてもらってから大阪で『染、色』おかわりした大晴くんは、その答えを私にも教えてくれないか?





まずはまっさん、初主演舞台おめでとうございます。

きみはどんだけ難しい舞台を成し遂げたのか。自宅で風呂上がりに鑑賞した私、どすっぴんながら心の中でスタオベ。あ、風呂には昨日は15時に入りましたね。


もうほんとにね、お話が難しくて「考察」とか「推測」さえできないの、私には。途中から「あ、この手の話は苦手なやつ」「わからんやつ」と思ったから余計に「難しい」に引っ張られすぎたのかもしれない。あと朝見たグレショーのジョバンニと、「これボイビが見たんか…」という気持ちがちらついてしまい。ボイビわかった?いけた?いけててもなんとなくダメかもしれない。

感情の起伏がピレネーよりピレネーな(とは)役柄の深馬、ものすごい迫力だった。みうま、と読むのは最近知った。美大生、主席で入学。その設定がそもそも、きっと次元の違う思考の「なるほどわからん」人種のイメージ。


明らかにうまく回っていないメンタル、苦悩、友達とのワチャワチャ、かわいい(けどめんどくさそうな)彼女・杏奈との微妙な関係、謎のスプレー女・真未との出会い、憧れ、そこから崩れていくバランス。

ぐるぐるぐるぐる回転するように変わっていく場面。さっき友達と笑ってたのに彼女に甘い顔をする、それだって仮面をかぶっていて、1人になったら不安や孤独に絡め取られる。

真未の前では解き放たれたように生き生きする深馬、でも結末を見たら真未は本当は存在していなかった、的なことだよな?(本当はいるのいないの!?どっちなの!?という無粋な答えを出したがる女ですよ、私は)


真未は深馬のスケープゴートなんかなと思いながら見ていたのだけども、スケープゴートは集団の中で対象を見つけるものだから違うか。とか、じゃあ投影?とか、心理学を勉強していた大学時代の記憶を引っ張り出して、観終わった後はその類の知識を求めてネットの海を徘徊した。

結局なるほどわからんで寝て、朝からその道の仕事をしている友人にLINEする。全くもってジャニヲタではない友達、なんのこっちゃである。でも私の意味不明な質問と公式ホムペのイントロダクションから「解離性障害」がいちばん近いのではないか、わからんけど、という返事が来た。

そ!れ!だ!

症状読んだら、いちばん納得できた。いうても心の問題は複雑に絡み合っているので、一概に「この症状だからこれ!」とはいえない。それは友達も言っていたし、私もそう思う。けどスッキリした。一方的解決。

とりあえず深馬は一度病院に行ってほしい(そこ)。


私の考察ってこうなってしまう。妙に現実的で、カトシゲ先生も別に深馬を診断されたくはないだろう。





病気のことは置いといて(マジで置いといてもろて)、『染、色』は文字通りまっさんが体当たりしてつくっている作品なんだなあって思った。これを2公演する日もあるってマジかよ、ってちょっとした恐怖を感じるレベル。確実に魂を削っている。


あまりに体当たりすぎるので、配信された公演のころのまっさんの東京生活に思いを馳せ始める。健康でいてね、アイドル…。息抜きもしてよ…!

まっさん、とにかくカレーたくさん食え。ココイチたんまり食えよぉ!!!!!!こんな大変な公演してんのにホテルで洗濯せんでええ!婆がやったる!!!


私から見ているまっさんは「憑依型」の俳優さんとはちょっと違う。「役が抜けないんですよね」というタイプではない。ていうか、この役は抜けていてください。じゃないと新大久保の高架下にスプレーで絵描いちゃうから。あ、梅田でもやめとけ?

憑依型じゃないなら、なのに、こんだけできてしまうまっさんは、なおさらえげつないのではないか。この重く苦しく歪んでいて、でも心の奥底の粗くて純粋なところを守りたいような、そんな脆い人の役を。

演劇の神様に愛されている。演劇するための方向に運命が進んでいるような、そんな気さえしている。まっさんも演技すること好きなのがわかるし、求めているから、演劇の神様とまっさんは両想いやな。軽率に嫉妬。


深馬と真未が2人で絵を描くシーン、コンテンポラリーダンスのくくりに入るのだろうか。あそこ好きだったな。あの世界に身を置いて考えれば、踊りながら絵を描くというよりは、絵を描く姿が踊っているように見えてしまう、が正解かな。2人にとって絵を描くことは、それくらい自由に動けて楽しいこと、というか。2人の呼応する動きが魅惑的。まっさんあんな動きできるんか!ってびっくりした。腕や服にスプレーの色が混ざっていくのもきれいだった。

そう、服ね。最初ベージュっぽい生成りっぽい色の服を着ている深馬と真っ黒な真未の対比とか、後半、黒っぽい上下とインナー白に変わる深馬。そこは意味がありそうだなあと思うけど、しっかり考えて見られていないので、軽率なことは書かないでおく。わっかんないし(わっかんない)。


真未は深馬の本能というか無意識的なもので、深馬の理想像、家とか人間関係とか評価とか関係ない、ただ絵が狂おしく好きで絵に溺れたい、絵だけのために生きたい、それだけでいい、絵に呑まれて死にたい、そういうものの現れだったのかなと思う。理想とは真反対の生き方をするしかない、今の自分とのバランスが取れなくて生み出してしまったもう1人の自分、かな。

絵は完成させたら死んでしまう、だから完成させられないんだろうというのも、内なる自分からの厳しい声。あれ激しかったな。


最後の、真未がやっていたと思っていたことは実は深馬自身がやっていたという伏線回収のシーン。猟奇的な顔つきのまっさんが凄まじかった。私は自担があんな顔したら怖くて泣く(泣く)。

泣くけど、圧巻だった。外側の深馬と内なる深馬のスイッチがえげつない。コロコロコロコロ変わっていく感情が怖い。あれを人間が演じると考えるのが本当に怖い。

(怖いと言えば、スプレー隠された時の真未もめちゃくちゃ怖かった)


まとめると、深馬とにかく病院行け!なんですけど(結局)。





カテコで見せてくれた、役じゃなくてAぇ! groupの正門良規くんとしてのお顔にホッとした。

これは正門担の友人各位も言っていたことで、その意味がよくわかった。真摯にお礼を述べる言葉、少しにじむ関西弁、客席を上まで見つめるお顔。正門良規かっこよくてちょっと恋しそうになった。

しないよ!!!


どんな舞台にも言えるけど、このお話は特に、生で見たらまた印象とか感想も違ってくるんだろう。カメラワークとかがあるとどうしても配信側の意図が出てきてしまうし、生であのまっさんの叫びを聞いた日には衝撃が強すぎて夢に見てしまうかもしれん。

帰ってきた友人たちの口数が少なかったのも納得。見た人しか、味わった人にしかわからない境地。



過酷やったはずやけど、こんなにギリギリな役柄を演じていたからこそ、体力的にはキツくても2週に1回の『関バリ』(関西でやってるラジオ)やAぇでのお仕事は、まっさんの救いになっていたのではないかな、なんて思った。

Aぇといえば深馬やりながらやっていたグレショーは、おしりと御飯、銀鉄、今度放送されるものあたりかな。その次くらいまでいくか。ほんとにまっさん、深馬やっておかんやって深馬やってジョバンニやって深馬y私がまっさんに「主演助演おかん男優賞」を捧げようと思う。

小島の顔のトロフィー彫ってみる?(なぜ小島)


正門良規くん、ものすごかったです。これからもたくさん活躍の場があると思う。羽ばたいていくに決まってる。だって演劇の神様と両想いだから。まっさんに主役してもらえたカトシゲ先生はものすごくラッキーだったんじゃないかと、私は思っています。


「初主演舞台」がこんな難しい役なの、正門ストーリーの序章だな。彼は、この世界の主役なので。