きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

消えていく星の流線を君も見ていたら


通称・戸塚担。わたしの大学時代からの友人。
突然クソコラにハマったと思ったら、何種類もトンチキな画像を送りつけてくるクレイジーなヲタク。


戸塚担は発想がトンチキで、本が好きだから語彙力があるし文章がうまくて面白い。飾らないし、気持ちいいくらいに言いたいことをはっきり言う。LINEしてると、おもしろすぎて普通に声出して笑いそうになる。あと、大事な時、必要な時に無言のやさしさをくれる。そういう人。




出会った時、どころか去年3月まで彼女の辞書にはジャニーズの「ジ」の字も入ってなかった。阿部に

「絶望的な辞書だな」

くらいは言われそうである。


そもそもわたしたちが仲良くなったのは、好きなファッションが似ていたからであり(男子ウケ逆走の超絶古着女子)(ジャージにスカートにおだんごは正義)、人間としての性質が似ていたからだと思う。好きなものは好き、人付き合いがそんなにうまくない。そして、譲れないものは譲れない!そんな感じで。



同じ大学にいながら別の学科だったので、たまに見かける程度。ずっとお互いに「おしゃれでかわいいし、友達になりたいナァ」と思っていながら人見知りをしていたエピソードがわたしは好きだ。(わたし別にかわいかないけどね。おしゃれの種類が似てたからですよ)(戸塚担はかわいかった)。両思いジャン。運命ジャン。


4年生でやっと友達になると、波長が合ったので急速に仲は深まった。制服コスプレしてプリクラ(字面だけでアウト)とか、大学卒業しても戸塚担の家に泊まって朝までカラオケしたり、昼までマンガ読んだり、梅田で買い物したり。
「ジャニーズ」を好きであるかないかは全然関係ない仲だった。



数年前、今をときめく乃木坂46がデビューした頃、戸塚担から連絡が来た。「握手会行ってみーへん?」
戸塚担はもともと女の子のアイドルが好きで詳しくて、乃木坂の握手会にも最初から行っていた。わたしは顔面偏差値の高いきれいな女の子たちに興味があったので行ってみることにした。


すごかった。


歌って踊るきれいでかわいくて初々しいアイドル、繰り返される握手会、アイドルに覚えられる自分、ジャニーズにはない近しさ。アイドルと普通に喋れるって何事?語彙力崩壊。以降、去年の春ぐらいまで、わたしも人生初の女子ドルヲタクライフを楽しむことになる。

戸塚担とは、ほぼ毎月会っていた。握手会が頻繁にあったし、なくても買い物に行ったりランチしたり。乃木ヲタの共通の友達もできて飲みに行ったり、ツイッターでやいやいしたり、やってることは今と変わらない。




去年3月、いよいよ戸塚担が戸塚くんと出会う。彼女の推しメンがヒロインを務める舞台の主演が戸塚くんだった。


まったくジャニーズに興味なく出掛けて行ったのに、終演後にきたLINE。「戸塚くん、かわいかった」「戸塚くんアクロバットすごい」「ジャニーズすごい」。

その日から凄い勢いで語ってくる。「動画漁ってる」「ダヴィンチで連載してて、本が出るらしい」「今日の舞台は戸塚くんしか見れなかった」。しれっとジャニウェブにも登録していた。そしてコンサートに行きたいとFCに入る。



戸塚くんすっげー!!!



目からウロコ。
ジャニーズの良さが伝わったらいいなァぐらいに思ってたわたしの遥か斜め上の展開。ほんっとにすんげーことが起こった。びびった。



同じ頃、わたしの乃木坂46への興味や熱も翳りをみせていた。どんな場所でも「楽しい」も「新鮮な喜び」もずっと続かないことを知っていたので、数カ月前から、あぁここも終わりだなって直感的に思っていて。
当時、戸塚担の方が先に熱が落ち着いていたから、現場にわたしが一人で行くこともあった。彼女が戸塚くんに堕ちた今、これまでみたいに会うことは本当になくなるんだなー、わたしもここから離れるし。なんて思ってた。



ら、



わたしがキンプリに堕ちた。



爆笑した。
また一緒ジャン!!



その時、思った。


腐れ縁だ。
この人とは切っても切り離せない縁があるんだ。
ばーちゃんになっても一生友だちだ。



9月には、A.B.C-Zのコンサートに連れてってもらった。戸塚担が知らぬ間にハマったふぉ〜ゆ〜の辰巳くんの外部舞台、ふぉゆの舞台にも連れてってもらった。
元々ジャニヲタといっても、わたしは嵐、エイト、初期のにゅーすとか見ていたので、えびじさんは未知の世界。同じジャニーズでも知らない世界があるのを体感したし、すっごくすっごく新鮮だった。この5月にはSixTONESにも連れてってもらったな。ズブズブにジャニーズの沼にハマる戸塚担の微笑ましさよ。




世の大多数の女子が大なり小なりジャニーズを通るとは思うけど、女の子のアイドルにキラキラを感じていた人が30を超えて通り始めるなんて、彼らと不思議なご縁があったんだなァと思う。これだけ人格や立ち位置や嗜好が確立されてから新しい世界を手に入れるって、よほどの縁の強さであり、インパクトではないか。



戸塚担にとって戸塚くんは「光」らしい。
そういう曲があるそうで、戸塚くんが紡いだ歌詞を読んでなるほどと思った。

戸塚くんの言葉は独特で詩的で、魅惑的だった。生きていることが物語になるような人。本が好きな戸塚担なので惹かれる理由もわかった気がした。当時もがいていたという戸塚担の心を柔らかく包み込んだんだな。一筋の光を届けた戸塚くんは偉大だ。




わたしは、アイドルのファンをすることは偶像崇拝だと思っている。

偶像崇拝
① 神以外の人や物、あるいは木・土・石・金属などで造られた神仏の像や絵画を信仰の対象として崇拝すること。
② 尊重すべき実体のないものを無批判に崇拝すること。


大学で習ったのかな、確か。
こんな風に書くと物々しいけど、それぞれがアイドルに理想を見たり重ねたりして追いかける。アイドルを通して泣いたり笑ったり、落ち込んだり元気になったり。“尊重すべき実体のない”もの。アイドルは実体があるようでないようであるようで…摩訶不思議パラレルワールド


戸塚担とまた同じパラレルワールドに生きられることが、実は結構うれしかったりする。今見ているものは違うけど、同じフィールドで、近くにいて、繋がるものを見つめている。
ジャニーズがなくたって一生友達だけど、同じ世界を見つめられる時間は愛しい。




戸塚くんを神と崇め、辰巳くんも好きな戸塚担。ほっくん通ったり抜けたりしつつ、最近その枠にTravis Japanまで入ってきた。中村‪海人。すっごい楽しそうにそんな話を聞かせてくれるから、かわいいナァと思って聞いてる。その割にドライな返事しかできないダメな友達で申し訳ないけど。っていうか、うみんちゅお前が刺客だったのか!



「ジャニヲタになった」そんなふうに書くのは簡単。でも本当は「惹かれたアイドルがジャニーズだった」が正解。もちろんジャニーズだから歌って踊れるし、華々しいエンターテイメントを見せてくれるのかもしれないし、ジャニーズのそれに惹かれているのかもしれないけど、ジャニーズだから好きなんじゃなくて、ジャニーズの中で輝くその人と出会って、好きになるだけの話。






そういえばちょうど1年ぐらい前、戸塚担が突然Snow Manの話をしてきた。

塚ちゃんが出てるから『ラスト・ホールド!』を観に行ったとかで、Jr.なんてSixTONESを「しっくすとーんず」って読むレベルだったわたしに「ふっかの津軽弁がかわいかった」「あべちゃんって気象予報士の子がいて」ってなんか熱く語ってくる。
キンプリちゃんに出会ったばっかりで夢中やったし、「Jr.?興味ない」なんて激烈塩対応してたけど、1年経ってみ?これだよ???


壮大な伏線か?戸塚担の掌の上なのか?
本当にいつ何が起こるかわからないから、ジャニヲタという偶像崇拝から抜けられない。