きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

それは修行か青春か──グレショーがおもしろいよの話


グレショーがおもしろい。始まったころからずっとおもしろい。


見応えがありすぎて、顧客満足度第1位やろこれは!と、どこかのカスタマーサービスに訴えかけたいレベル。なんかそういう窓口どこや!お客様の声を届け隊!



土曜の深夜にABCテレビで放送中の『THE GREATEST SHOW-NEN』通称グレショー。

Aぇ! groupがさまざまな劇団・演出家の方とコラボして1ヶ月に1作品の舞台をつくる。そして、そのお稽古と本番を5回にわたって放送してくれる。


昨年11月に始まってからずっと見逃し配信がなくて、(これ関西でしか見れないのもったいなくない!?)(放送したら絶対Aぇのファン増えるやろ!)と思い続けてきた。

そしたら4月半ば、半年の時を経てやっとTVerGYAO!に参入したグレショー。よくやったグレショー!!関西に住んでいない友人の正門部隊も末澤担の班長も大喜びである。


今で何作目や?5?6?多分6作目。

ちょうど新シリーズが始まったので、ステマを兼ねて感想文を書きたいと思います。


ステマって書くステマステマじゃないよね。あなたの20分を私にください!

劇団鹿殺しと新たな舞台!名作「銀河鉄道の夜」をタンクトップ&ホットパンツという最小限の衣装で演じる!?

⚠︎6/20 1:30までです!4時間ない!!



あ、ABCはテレ朝系列の関西ローカル局です。という今日イチのいら情。





グレショーは「Aぇ! groupが劇団とコラボして“本気の舞台”をつくる」のがコンセプトの番組。

顔合わせからお稽古する様子、本番、公演後の感想、演出家さんがAぇに向ける一言まで観られるのだけど、ヲタクはお稽古とかリハとか裏側大好物よね?あんなに列ができていたタピオカ、それにとって代わるといわれていたバナナジュースのブームがいつしか溶けて消えていても、ヲタクが裏側を見る時のテンションの高まりは普遍ではないだろうか。


アイドルの挑戦、苦悩、悪戦苦闘しながら無を有にしていく過程を観ること。スッピンめのお顔や髪型にもテンションが上がる。


この番組を通して、世には本当にたくさんの劇団があるのだと知った。私は演劇方面のことは全然詳しくないので元から知ってたのは最初のヨーロッパ企画だけやったけど、どの劇団にもそれぞれの色や作風、舞台のつくり方がある。

演出家にはAぇの親世代、親よりも年上だろうなというベテランの方もいれば、今まさに脂が乗ってます!っていう世代の方もいる。

だからお稽古中の空気感もAぇと築く関係性もそれぞれに違って、毎回本当におもしろい。おもしろい、は、「興味深い」の方が近いかな。


そういう意味で特に印象的やったのが4作目の『Super Wednesday』。劇団THE ROB CARLTONとのテンポの速い会話劇で、とにかく楽しく!のびのび!っていう空気があって、お稽古から異質なほどにAぇが青春をしていた。学園モノやったのもあるかもやけど、公演後みんな泣いてるんやもん。びっくりしちゃった。かわいいなぁまったく!(あとこれは制服がめっちゃよかった)(制服がめっっっっっちゃよかった)


1ヶ月で1作品つくるって、間違いなく過酷なのが素人でもわかる。

だってほかにもお仕事があるし、学校ある子もいるし、まっさん(正門くん)に至っては3、4月以降はグローブ座でやってる舞台と並行なわけで。それはもう一体何人の人間になっているのか。正門のアイデンティティ息してる…?


それに、お稽古の風景を見るのが好きとはいえ、そんなタイトな裏側、短期間で成長しなければならない世界を覗くのは見ている方まで緊張したり苦しくなるようなこともある。このキャッキャ楽しいばっかりではない、そのドキュメンタリー感が胸を掴むひとつの要素なのだけど。


こないだまでやってた『おしりと御飯』は福田転球さんの演出で、お芝居の間に入る歌やすべての効果音をアカペラで表現する歌喜劇というもの。顔合わせの時、歌のレベルを知るために1人ずつ好きな歌を歌ってみることになった。

もう婆ドッキドキ。あ、私、大晴くんを見守る人格の中に「孫を見守る祖母」みたいなのがありまして(なにそれ)。

Aぇは歌上手い子が多いし、大晴くん自身も歌得意じゃないって自分で思ってるし(歌声めっちゃかわいいけど)(歌声めっちゃかわいいけど)(同じこと2回書いてるのバグじゃないよ)、共感性羞恥のようなものが働いてテレビの前の婆、手に汗握る。

歌う前に「歌が苦手な人?」って聞かれて、まっすぐ手を挙げていた大晴くん。迷いなくて、おぉ〜と思った。何が苦手と思ってるかヒアリングされて、「じゃ、歌ってみて」と言われれば淀みなく歌い始める。

私これ見た時、アイドルのお仕事のすごさを思い知った。20代前半の男の子が、メンバーとはいえ他人や大人たちのいる中で苦手なことをやらなければならない局面。それを怯むことなく堂々とやるところ。そこで怯んではプロではないのだろうけど、私が大学生なら絶対無理やもん。普通に尊敬したし、アイドルの道を突き進むには相当な覚悟や鉄壁のハートを持つことが必要なのを感じる。

共感生羞恥なんてアホみたいだな、失礼やな私、って反省した。大晴くん緊張してたし、私も緊張したけど。


アイドルが苦手なことに立ち向かう局面を何度も見せてくれる、泥臭いグレショー。そして確実にステップアップしていく姿を見守らせてくれるグレショー。今いちばん熱い番組じゃないんか!?これ!





さて、先週から始まった『銀河鉄道の夜』の話。なかなか衝撃的な始まりだった。

今回は「劇団鹿殺し」の菜月チョビさんが演出してくれる。女性の演出家はグレショーでは初めて。おいくつなんだろう、と思って調べたら43歳!!見えない!!!!もっと若いと思ってた。とはいえ、これまで出てきた演出家の方の中では若手だと思う。


顔合わせの時点でチョビさんが「お芝居にもいろんな種類があるけど、(視聴者やお客さんが)自分にもできると思うようなことはやりたくない」「私は劇場に来るから見られる世界を見せたい」という話をされて、話を聞いてるAぇと一緒に、テレビの前の私まで背筋が伸びた。

そして同時に、2年前のROTで見た滝沢歌舞伎ZEROのお稽古、女性振付師さんの「血反吐はいてもらおうかな」を思い出す。あれもなかなか背筋凍ったよね。


チョビさんの芯の通った信念と妥協を許さない空気感が、お稽古に緊張感を持たせる。チョビさんがなぜこんなにも厳しく高い意識を求めるのかは、劇団鹿殺しのHPを見たらすごくよくわかった。Aぇが、こんな世界を生きる人たちに触れることがうれしいと思った。


これまででいちばん張り詰めた空気で、プロの仕事を求められる。Aぇがこのレベルに応えられるのは、これまでの5作で経験してきた積み重ねの賜物。

アドリブ力やいくつもの役の演じ分け、テンポの速い掛け合いやアカペラ…。本当にたくさんの経験を積んできて、グレショーがなければできないことばっかりやからAぇはめちゃくちゃ恵まれている。

1ヶ月に1本。本番は最初で最後なのだからもちろん大変に決まってるけど、その分自分たちの武器がガンガンに増えてる。私は1ヲタクとして成長を見守れることが贅沢でうれしい。


ということで劇団鹿殺しプロデュース、Aぇと鹿殺しさんのコラボ「劇団タンクトップス」による旗揚げ解散公演『銀河鉄道の夜』。

まだ始まったばっかりだから間に合います!他G担さんにも今から見てみてほしい。


いちばん最初のパフォーマンスから釘付けになるよ。めっちゃくちゃ素晴らしいので。そのクオリティになるまでの険しい道のりと一緒に、たくさんの人に見てほしい。


劇団鹿殺しと新たな舞台!名作「銀河鉄道の夜」をタンクトップ&ホットパンツという最小限の衣装で演じる!?

⚠︎『銀河鉄道の夜』の1回目は今日の25:30まで見れます!あと4時間!


あなたの20分だけ、私にください!





いつ誰とコラボしても、いつ何時もアイドルはその場に染まる。すごいお仕事だなとグレショーを見ながら改めて思う。

本番が1回しかない儚さも、お客さんを入れられない切なさも、全部が彼らのこれからの武器になっていく経験だと信じたい。


そして、こんなすごいことをやっているのだから、この頑張りが1人でも多くの人に届いたらいいのになと思っています。