きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

濁流の中、空の飛び方を知る


私は『ハイキュー!!』に命を救われた者です。


…えっ格助詞がバカデカいな?格助詞がバカデカいって何?

とはいえ本当にヲタクとしての命を救われたので、今日はそういう記録。あの日、命を助けられた鶴です、みたいな話。





仲良しのおかみさん(「なにわ男子のおかみさん」という通り名の普通の友人)に薦められてハイキューを読み始めたのは去年の年末、ツイッタランドとかLINEによると12/22とか23とか、その辺りのこと。

ハイキューおもしろいよ、今アプリで無料で読めるよと教えてもらい、年末やし、今年はカウコンもないし、暇つぶしに読んでみようかな?くらいのささやかな動機。

今LINE確認したら、最初にお薦めされてたのは、それよりさらに1年前の夏やったし、昨年末はハイキューの前に幽白薦められてたから、そのとき何を選ぶかって本当にタイミング次第。

そしてハイキューを読み始めたわけですが。


ていうか、おもろ。なにこれおもろ。普通におもろ!!!!!

これが、かの有名な『ハイキュー!!』っすか!


タイトルは知っていた。ジャンプのバレーボールの漫画っていうのも知ってたし、アニメ化してるのもなんとなく知ってた。スシ◯ーで稲荷崎の皆さんがくるくる回ってたフェアのときにお寿司食べに行って、「双子がおるwwwwwwwwwwww」って謎に妹とウケたこともある。

というレベルの知識やったけど、手を出して2日くらいで、もう虜。そらスシ◯ーでくるくる回るわ、このおもしろさ。

あの日読めなかった、皿に乗ってくるくる回る「宮侑」の名前が読める日も近い。



ところが読み始めて数日後。忘れもしない12/30、私がアイドルのヲタクとして初めて味わう、天変地異クラスの衝撃的な出来事が起こった。

「大好きなアイドルと唐突に二度と会えない」、これはマジで天変地異クラスだったので、心がポッキリ折れた。悲しくてつらくて、大晦日も早々に寝て年越しの瞬間なんて爆睡で、2月ごろまでは今が何年何月か、気を抜くとリアルにわかってなかったところがある。

まるで1人だけ取り残されたようで、ただ毎日24時間を埋めるだけの、混乱の2023年13月を生きていた。


その出来事から2〜3日は何も手につかず、年始にくま(という通り名の友達。ただの青いくま)と行ったトリキでもほとんど食べられず(未だに悔しい)、それ以外何してたかも覚えてないけど、突然「そうだ、俺にはハイキューがある」と、ムクッと起き上がって読み出した。

寝ても覚めても読んでいた。不幸中の幸いと言うべきか、私は漫画を読むのがめちゃ遅い。活字をちゃんと隅々までもれなく読まないと進めないので、とんでもなく遅い。

それで来る日も来る日も、ただただバレーボールを繋ぐ人たちを追っていた。

現実を忘れたくて、時間を埋めたくて、夢中で読んだ。


よかった。


めちゃよかった。


スポーツってすごいな!


運動音痴すぎて、体育以外のスポーツをしたことがないから、余計に浴びる「スポーツってすごいな」。スラムダンクテニプリも通ってない、ジャンプの漫画はワンピースとスケットダンス銀魂が好きだった、スポーツとは無縁の手負いの私は知ってしまった。

スポーツは健やかで、青春は眩しい。

メンタルが沈み込んでるので、しんどい試合とか読んでると余計悲しくなったりもしつつ、でも別で考えるものができたことがめちゃくちゃありがたかった。


漫画読むの激遅の私が全45巻を読み終えたのが2/1。約1ヶ月で読めた。アプリで読めない部分は、なんと後輩ちゃんが単行本を貸してくれた。神か、神なのか。


最終回を読んだ日は、興奮してなかなか寝付けなかったのを覚えてる。

心の健康もらって感謝しちゃってるもんね。


予想だにしない大きな喪失で、泣いたり虚無になったり何もできなかったり、眠れない食べられない、友達も激ドライな非ヲタの妹も、なんなら友達の友達までみんなが私を心配しているような、そんなドデカ天変地異渦中に共にあってくれたハイキューは私に楽しみをくれ、肯定的に考える出来事をくれ、本当に本当に感謝が尽きない。

しかも2/16に映画の公開を控えていたのでハイキュー側の露出が止まらず(商魂ありすぎ、商魂のビッグウェーブと呼んでいた)、その追い風に押されるようにして、私は今ここにいる。


まだその天変地異の余波を全力で浴びてるめんどくせぇ人間やってるわけだが、一応人の形を保てているのはハイキューのおかげ。





という流れでハイキューにたどり着いたわけですが、なにが良かったのかを残しておきたい。

本当は一度全部読み終わったときに書こうと思ってたのに、まとまらず半年経ってしまったので、ちょっと鮮度はないけど。鮮度とは?


ハイキュー!!』は宮城県の“昔は強豪だった”高校の男子バレー部が舞台で、そこで主人公の日向翔陽(ヒナタ・ショウヨウ)と影山飛雄(カゲヤマ・トビオ)が出会って、なんやかんやあって大変で、いろんな学校のおもしれぇやつらと出会ってなんやかんやバレーして大変で、全国の舞台を目指す、という話なんですけど、説明しだしたらキリがないので、みんななんやかんやして見てきて。ウィキとかアニメのサイトとか。なんやかんや。

(ジャンプのアプリでも、ある程度ボーナスコインで読めるよ!)


話のおもしろさ、キャラクターの良さみたいなのは大前提であるとして(だから8年半も連載してるわけで)、わたしがいいなと思ったのは、1つにはテンポの良さ。間延びせず話がポンポン進むなぁというのが印象的で。

どんなものでも好きになったら背景や周辺情報を知りたくなるけど、初見のときって、それより話を進める方が重要かなと思うので。

そして、そういう背景や周辺情報が公式のガイドブック的なものに集約されていて、しかもいくつか出ているので、ヲタクのそういう「ほしい!」にも手が届いちゃってる。沼が手広げて待ってるやんオブザイヤー。


あと、よく言われてるのが「嫌なやつがいない」。ほんっっっまにそうで、嫌なやつが出てこないってすごく健やか。一見嫌なやつも嫌なやつじゃないのがちゃんとわかるし本当に嫌なやつじゃない。懐かしの小泉構文みたいになってもた。

読み終わったら、みーーーんなのこと好きになってたもんね。世界平和。


好きになってたし、「この人たち、この世に生きてる!」みたいな謎のパラレルもある。

イッタランドで誰かが言っていた。ハイキューのキャラは同じ世界に生きていて、ただ出会うことがないだけだと──なんか、その体感がある。わかる。わかってしまう。


それはきっと話の終わり方が良い。ここでネタバレはしませんが(読んでくれよ)、仲良しの元じゅったんのオンナ(という通り名の友達)が「夢は終わらないんだよ!」と教えてくれた、その言葉の通りだった。

夢は終わらないし、ハイキューはこの世に息づいている。


今年だいたい30歳前後になったあの人たちは、今日もどこかで生きていて、今年はオリンピックに出る人たちもいて。そんな世界が自分の世界線に加わるなんて、人生おもろいことがあるナァ!



「推し文化」なんてないころからぬるっとヲタクをしていて、というかあの事務所のヲタクをしてきたのが、これまでのヲタク人生の9.5割。あと0.5割は乃木坂ちゃん。なのでアイドルを愛でてきた人生なのだけど、初めて「二次元」というのかな、漫画とかアニメとかの世界に踏み込んだ。

漫画を読むのは普通に好きやったけど、アイドルのヲタクをやるような感覚でハマることはない、自分に関係のない世界だと線を引いていたところがある。


いや〜わかんないね、あるもんやね。


これは「キタ」なと思ったのは、夢を見たとき。

ハイキューのキャラが夢の中で3Dで動いていた。しかも漫画のエピソードとかじゃないのよ、完全オリジナルストーリー。夢と二次元の融合に成功した、次元を超えた、と妹に言ったら、「夢を見る才能がある」と言われた。履歴書に書けるだろうか。

アイドルのなにかを妄想するとしたら私のフィールドに引き寄せて考える感じで、二次元は私がそっちにエイッと飛び込む感じ。

いよいよ、なに言うてんねん感が強くなってきましたか。





そんなふうにして私はハイキューに、ハイキューの中で一番好きな影山飛雄くんに、自分の命を救ってくれたものとして感謝している。もはや信仰。

ハイキューを皮切りに漫画を読んだりアニメを観たりという時間が増えて、去年までとは違う生活やけど、ヲタクとして満足度の高い毎日といえるかな?というところ。


アイドルのヲタクとしての強烈な欠損に、「もう楽しいと思うこととか、ないんちゃうかな」「この先、なにに興味を持ってやっていけば…?」って本気で思ってた年末年始の私を思い出すと今も結構しんどいし、清算しきれない気持ちだってまだ持ってるけど、でも、ちゃんと楽しいことはあるよ。世界が広がるし、新しい刺激を得られるし、私の知らないおもしろいことはこの世にたくさんある。

凝り固まらすに生きていこう。



このブログは実は春くらいからずっと書いてたけど、鮮度が落ちてしまったのでもうお蔵入りかなぁ?とか思ったりしてたやつで。

でも今日、奇しくもハイキューの日にタイミングが合ったので置いておきます。出会えてよかった、紙の世界の人たちのこと。