きのこ狩りの残党

私が見ているアイドルの世界

あの子に贈るキャラメルマキアート


前に 「いつだって努力の天才を愛して」「菫」というブログを書いたことがある。今回はそんな私の推しメンの話。


乃木坂46山崎怜奈ちゃんがグループ卒業を発表したのは先週の月曜日、彼女がパーソナリティをしているラジオ「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのこと。


私は仕事中にツイッタランドで知った。

卒業については、なんとなくそろそろなんじゃないかな?と思っていたから特別な驚きはなかった。いやまぁびっくりはしたけど、あぁ今かぁ、そうかダレハナで発表かぁ、そうかそうか…。きっと自分の声で最初に伝えたかったんだよなぁ…よかったよかった。そんな感じで、なんかこう、噛みしめた。


私はグループのファンとしてはとっくに離れていて、ミーグリ(オンラインでおしゃべりできるやつね)も結局片手で足りすぎるほどしか行ってない。れなちは卒業しても芸能界でお仕事を続けるのだから、言ってみれば今見ている距離と変わらない。

でも、卒業を知ってから時間が経つほどに、なんだか無性にさみしくなった。不思議と、とっても寂しい。私の心は勝手だし、不可解だ。


私の最後の推しメン、卒業は7月17日。







推しメンの卒業発表は、エモみ大将軍を生み出す。まぁそれはそれはエモさを感じる絶好のチャンスなのだから、ゾンビとなって蘇えったエモみ大将軍は私以外にも何人もいるでしょう。知らんけど。

けど、「幸せは自分の心が決める」とかいうやつじゃないけど、あと1ヶ月何を見て何をして何を感じるか、それは私が決めることであって周りにどう思われるとかそういうのは関係ないと、ふと思った。この先の私の心に残るのは、自分の気持ち。


持久走も長距離走も苦手、どんなことも短期決戦、短期集中型の私は、好きなアイドルさえ継続的にずっと見続けることができない。それは阿部さんにだって大晴くんにだってそうで、「今はこの人!」ってなったら0か100。それが私なので仕方がないし、私はこのやり方でやるしかない。だから“今見たいもの”“今しなければ後悔すること”に全力を出す。

そう思って、乃木坂の有料のメールサービスと、おんなじような有料のトークアプリに課金した。

これほんまにおんなじような物で、メールが来るのかアプリでLINEみたいにメッセージや画像や動画が来るのかの違い。2ついるんか?どっちか、というかアプリだけでよくないか?あ、でもアプリはスマホタブレットがないとできへんのかな(ここで突然思い出す某ジャ◯ーズチケットアプリの罠)(滅せよ)。


れなちが前に某ラジコへの課金を「月に1個、推しにプリンを買ってあげたと思って」と例えていたのが好きだったのだけど、今回のでいえば、だいたいキャラメルマキアートのベンティ。でかいけど飲んでほしい。

とか言いながら、うっかり間違えて必要ない有料のグループオフィシャルサイトにも登録してしまって、秒で解約した。これによってうっかりベンティにいろいろカスタムしてしまった。

普通の顔して登録してたくせにしょうもない失敗をして、自分の無意識的な動揺を感じて、ちょっと笑った。


卒業は前向きな未来への選択。きっとこれからもどんどん前に進んでいく、たくさん活躍できる人で、足元にそれだけの経験を築いてきたのがわかるから、心配だってない。きっとグループで活動しているよりもいろんな挑戦ができるようにもなると思う。


でもきっと、私はれなちが「アイドル」を卒業してしまうのが寂しい。

ぐるぐる考えていて、そこにたどり着いた。

そういえば私は変化に弱いのだった。変わることが怖い、3月と4月が嫌い、新しい試みは苦手。この気持ちの成分には、きっとそういうものもある。



そんな気持ちを抱えつつ、ドキドキしながら卒業発表をしたダレハナをタイムフリーで聴いた。

冒頭の卒業発表、れなちが努めて明るくしゃべろうとする声の裏に緊張とか不安とかが滲みまくってて、普段よりギア2つくらい上がってる感じがして、あぁぁ…がんばれがんばれ、と手に汗握ってしまう。

もう最初からずっとちょっと泣きそうな声で、気持ちが溢れちゃってるのがわかったから、お弁当を食べながら聴いていた私も泣いてしまった。職場にお弁当食べながら泣いてる先輩おったら、シンプルにこわいよな。


その中で、

「グループを卒業した後のことも楽しみな、生きるのが楽しみになってきたこのタイミングで一歩踏み出すのが、今の私にできるベストなのかなと思いました」

というところが刺さった。うれしかった。


れなちが19歳、加入して3年ぐらい経ったころに初めて握手会に行った。それから6年半をずっと見ていたわけではないけど、いろんなときがあったと思う。

アイドルという人に見られる仕事をして、うまくいくことばかりじゃない複雑な環境と、高校生や大学生というような多感な年頃との掛け算は暴れん坊の馬に乗る、みたいな難しさがあったんじゃないだろうか。コジケンサンバかな?コジケンさん馬乗ってないけど。


大変そうだな、とか、しんどそうだな、とか、無理してそうだな、とか。勝手に心配したこと、何度もあった。彼女がアイドルの世界を賢明に生きようとすればするほど不器用に立ち回ってしまうように見えて、状況も味方しなくて、代わりに「いや、どうしたらええねん!」って言いたくなるようなこともあった。

私が見ていたのは、そういうことが多い時期で。

がむしゃらにがんばっているのを応援していたし、悲しい思いはしてほしくなかった。


彼女に転機が訪れたのは私がその場を離れてからで、好きな歴史を題材にした配信番組やクイズ番組、エッセイを書くことやラジオ、好きなことから好きなことがどんどん派生して、お仕事の幅が広がった。

大学卒業前後から、そんな動きになっていったんじゃないかなぁ。「歯車が回りだす」ってこういうことだろうな、と思うような。

精神的な落ち着きというものは年齢と共に手に入れられるものでもあるから、きっとそうやって大人になっていく時期であったことも味方したのだと思う。


好きなものが仕事の上での相棒となったれなちは、すごくすっきりしたいい顔をしていた。選抜に入るとか入らないとか、がんじがらめになっていたように見えたものとも自分の中で対峙して整理して、呼吸がしやすくなったように見えた。きれいになったし、持ってる雰囲気が澄んだ気がした。

それでもいいことばかりではないだろうことは明白で、好きを相棒にできたからこそがんばらなきゃいけないこととか、大変なことだってずっとあったと思う。でも、いい意味での割り切りや達観、今その道を進むための泥臭い誠実さが感じられた。


よかった。すごくよかった。そして、そういうところがすごく好きだと思ったから、私やっぱり見る目あるやん!と思う。

ファンというか遠い遠い遠-------------------------い親戚みたいな、あなたが小さいころ近くに住んでたのよ道ですれ違うだけだけどみたいなレベルのご近所さん感覚の私、つまり他人でしかないのに勝手に応援する距離が近くなってしまっている私としては、「生きていくのが楽しみになった」っていう卒業の理由がすごくうれしい!これからやりたいこと、たくさんあるんやろうな。

やりたいことを見つけられたこと、それを叶えていくために自分の道を選ぶこと。とっても素敵で、本当に心から良かった!


発表から卒業まで約1ヶ月、最後のライブはすでに済んでいる5月の日産スタジアム。「乃木坂が大好きだから、ライブはみんなの輝く場所だから、影響が出ないこのタイミングでの卒業になった」「わがままを許してほしい」と言ったれなちが立派すぎて全おれ拍手喝采。全おれスタオベ。

隅から隅まで、考え方のその潔さがれなちらしい。いいなぁと思った。等身大で考えて前例に倣うわけでもなく自分の好きなように決められたら、それがいいし、それでいい。自分のファンを「味方」って思っているあなたの、いつだって味方でいたいと思っているよ。




ダレハナでの卒業発表後にかけられたのは『錆びたコンパス』だった。れなちが去年初めて、アンダーセンターを務めた曲。

(MVかわいいから青字タップしてね)

曲紹介するときに言葉がなかなか出てこなかったのを聴いて、涙を堪えてやっとの思いで曲名を言っていたのを聴いて、胸がいっぱいになる。

センター曲であることだけでなく、歌詞があまりにもれなちマインドなのもあって本人もグッときただろうというのはもちろん(曲の後に「歌詞ずるいよね〜!」って笑っていたし)(私はこの歌詞はやすすからのギフトかなと思ってる)(ギフトというより当て書き)、私も間が抜けながらではあるけれど、これまで見てきた姿を思い出して、なおさら泣けてしまった。


大変そうだったことに焦点を当てて書いてきたけど、もちろんそればっかりじゃない。

アイドルとしての素敵なところだって、たくさんたくさん見せてくれた。両手に抱えきれないほどのキラキラをもらった。


対面の握手会のとき、アイドルと話せるなんて、しかも自分のことを覚えてくれるなんてどんな世界線や!?ってなったこと。

なかなかうまくいかないヒリヒリしていた時代に、もがいているように見える中で、アイドルとしての進化をたくさん見せてもらったこと。苦手を克服するために努力を重ねて、パフォーマンスがどんどんうまくなって、その姿を見られたこと。

エッセイを書いたり本を出したり、ラジオで毎日話したり。自分のフィールドを見つけて生き生きしているところ。

2年近く間が空いてミーグリに行った私をまだ覚えていてくれて、喜んでくれたこと。

初めてのアンダーセンター、その曲の素敵さ。MVの素敵さ。オンラインやけど、アンダーライブで横アリの真ん中に立つ姿を見られたこと。


うれしいことは細かい思い出といっしょに書ききれないくらいいくつもあって、思い出したら微笑んじゃうようなものが並んでて、大切で、私はきっともう女子ドルにハマることはないから全部全部真空パックして大事に心の中にとっておきたい。某ニトリの手で圧縮できるやつやっとこう。





卒業発表から、あっという間に10日が経っていた。

7/3と17にミーグリがあって、その応募ができたので久しぶりに応募した。卒業が決まると応募が殺到するのは目に見えているので取れるのか取れないのか緊張していたけれど、なんとか無事に取れた。少しだけやけどれなちに会えるので、うれしい。ホッとした。


卒業になって会いたいなんてゲンキンの極みだとも思うけれど、でもやっぱり会いたいなぁと思ったので、ここは素直に。

卒業が発表されてから本人も言ってることやけど、これでお別れなわけではないから、ありがとうとこれからもよろしくを伝えられたらいいな。


卒業記念にメンバーが出てるラジオのほとんどに出演する# 乃木坂ラジオほぼ全ジャック も発表された。2週間で10番組らしい。自分の持ってる技を活かす天才でしかない、私の推しメン!楽しみだなぁ。ラジコにプリン課金してる甲斐がある。



1ヶ月なんてあっという間に過ぎてしまう。そんなことは十分すぎるほどにわかっている。

だから、この1ヶ月は、この都合のいい寂しさを嚙みしめて消化しながら、乃木坂46山崎怜奈さんの姿を見届けたいと思っています。