『滝沢歌舞伎ZERO 2021』に行けることになりました。
大袈裟でもなく、これまでのヲタク人生でいちばんにがくて、苦しくて、地獄みたいな気持ちになって、でも幸運に恵まれた。忘れ得ないその記録です。
まだチケットがない人がいるのもわかっているし、大事なお友達にも行ってほしいので、手放しで喜べる状況じゃないのがもどかしいけれど。
でも、私は今、これを書き残しておきたい。
「砂を噛むような日々」とは、こういうことなのかなと思った。
それはもうジャリッジャリの。
『滝沢歌舞伎ZERO 2021』に落選したのはいつだったかな。すごく長く感じていて、もう思い出せないけど、2月の頭くらいだったかな。
…いえ、2月の後半でした。確認したA型。記憶の曖昧さたるやiPhoneの漢字変換並みの適当具合。
これまで、何でもかんでも、いつだってチケットは取れる気やったし(取れても取れなくてもブレない謎の心意気)、自分が落選しても、ご縁に恵まれてきた。
“本当にチケットがない”、それは、2010年前後の嵐のコンサートの時にしか感じたことがない。あのえげつない状況を通った体感からすると、どんなコンサートも舞台も、ガッツさえあればなんとかなると思ってきた。
そして実際、何とかなってきた。あ、もちろん定価です。
必要なのはとにかくガッツと諦めない心という、青春スポ根漫画の2大精神みたいなものだけで突き進むスポ根ヲタク道。
けれど、この1年は新型感染症の影響で、さすがにガッツではどうにもならなくなってきた。マジで運、運しかない。だって知らん人とチケット業務なんて、この状況ではできんだろ。
並行して、こちらの予想を棒高跳びで金メダルかな?ってくらいひゅるんっと跳び越えて、めちゃくちゃ人気者になったSnow Man。売れた。デビューできたら、いつか世間に見つかる日がくるとは思っていたけれど、そんなん何年も先かなと思っていた。速すぎる展開についていけない私。
デビューした以上は人気者になってほしい。売れてほしい。その良さをたくさんの人に知ってもらいたい。みんな年齢が割と高めやし、あんまりゆっくりもしていられない。見つかれ。
1ヲタクとしてそう願ってはいたけれど、いざ見つかってすごいことになると、人間はポカンとするということを学んだ。しかもこのスピード感。観たことないけどカーズかよ。速いのか知らんけど。
「新型のアイツ×Snow Manの人気」の計算式が生んだのは、めちゃくちゃ規則的なチケット申し込みとえげつない倍率の滝沢歌舞伎ZERO。
当落日、見事に私の桜は散り、こんなブログを書いたものの、
結局病んでいた、この1ヶ月。
いうても、もう1人の自担を見ながら、それなりに楽しく生きていたけれども。
歌舞伎に行きたいってどれだけ言ったって、今は手立てが少なすぎる。
歌舞伎会に入ろうと思って忘れてて(そもそものんびりしすぎ)、年明けてから高速で入会したけど、1/15以降の入会では歌舞伎会先行の応募権がなく。自業自得やねんけど、得られたはずのチャンスを1回棒に振り、一般なんて負けが濃厚の賭け。そんな私におかまいなくSnow Manの歌舞伎の露出は始まっていて、あっちこっちで雑誌の表紙を飾っている。なんか、しんどい。
そんなことをぐるぐる考えるうちに、私はもう、今年の歌舞伎を諦めてしまっていた。
なんやねん諦めるって!なんで諦めなあかんねん!!
とも思うけど、何度も言うけど手立てがなさすぎるのだからどうしようもない。
4月には歌舞伎が始まる。初日がどんどん近くなる。演舞場で舞う桜、私にとっての始まりの景色。それが見られない。デビューしたSnow Manに会うことができない。
なんでなんで?なんで私は会えないの?って思うけど、思えば思うほどしんどいので、考えるのをやめた。
たまに考え込むと、もう二度と阿部さんに会えないんだ〜とか振り切った方向に考えてしまって、つらい。自分のメンタルが弱いことはわかっているので、こういうのも回避したかったし、そもそも人生を楽しくするためのヲタクという趣味が、人生を追い詰めている構図に嫌気もさしていた。もうめんどくさいからヲタ卒したい。できない(秒)。
けど、歌舞伎に関しては諦めた方が楽だった。
それとは別で、偽善的かもしれないけど、いつも仲良くしてくれている友だちはみんな行けてほしいと思っていた。
9割諦めている女、残りの1割さえ抑え込めればなんとかやっていける。代わりなわけじゃないけど、今はAぇがすごく好きで見ていて楽しいし、関西に住んでるから露出もほぼリアルタイムで全部追えるやで!と、なんとかなる気もしていたから。
だから、私はもういいけど、みんなは行ってきてほしい。感想とか聞いたりはできないかもしれないけど、Snow Manに会ってきてほしい。
前回の歌舞伎に行けていない大事な友だちは、特に。絶対に。
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昨日の一般、夢に見るほど意識が圧迫されていた。
9割諦めたって、結局は1割の「私も歌舞伎に行きたい」が頭をもたげてくる。MステのCFBの阿部さんがかっこよすぎて、やっぱり会いたいなぁと思ってしまったから。
諦める、諦めないのシーソーゲームと、私をたびたび励ましてくれる友人たちと。いろんなものが渦巻く今を生きながら、できる限りのことはしなければ後悔すると、なけなしのエネルギーを燃やす。
一発で電話がかかる人だっているのだから、その順番は、次は私かもしれない。
でも、みんな歌舞伎に行けることになって、私だけ行けないかもしれない。
私は5年酷使したiPhoneなの?ってくらい、すぐ落ちる。
まだ御園座とイープラス先行の当落は残ってるけど気持ちが負けているし、私だけ行けないノイローゼみたいなものに襲われて、とてつもなく怖くなった。友だちみんな行ってほしいのも、自分のことはどうでもよくなっているのも本当だったけど、いざ1人で取り残されたら…?と思うとめちゃくちゃ怖い。
もうね、いろいろがいろいろすぎて、笑えないほど弱ってたんです。
一般は、午前10時から2時間半の戦いだった。
公演数が多いし、秒で売り切れるようなもんじゃないだろうとは思ってたけど、長かったなぁ。
前日の夜のうちにスマホに番号を入れとこうと思ったら、すでに「阿部さん🐰」で登録されている。映画の特別上映の時やな…うっかりかわいくて和んだわ。うさぎパワー。
一発で繋がるような奇跡はなく、🐰マークを延々リダイヤルする。かわいい。かわいいけど全然繋がらん。登録名が大きな文字で出るから「うさちゃん、ちゃんと前歯出てんねんなぁ」とか発見する。何の役に立つねん。
たまに回線に入り込めても、話し中で[接続できません]。5分、10分区切りで時計を見たり、眠くなって寝転んだり、お腹鳴りすぎてチョコも食べたし、最終的にはYOASOBIを聴いていた。なんで。
「頑張るぞ!」「次かかるかも?」と思っている時もあれば、「眠い…まだ終わってないんか」とツイッターを検索する時もあったし、ランナーズハイみたいになって、「私は今なにをしているのか」「これでいいのか」「私にとってのアイドルとは」「ヲタクとは…」「私という人間は」みたいな、いよいよ自分と向き合う内観タイムに突入したのは、今思えばちょっと引く。あれは、ある種のゾーンに入ってる。もうちょっと長い時間かかってたら、座禅とか組み始めたかもしれん。リダイヤルハイ。
つら過ぎてガチで泣きながらかけていた時間もあった。30代女子が泣きながら電話する一般って、なんの世にも奇妙な物語よ。タモさんも出てきてくれんわ。マモさんなら出てきてくれるかな?
あと、4回ほどスマホがバグって、音声は乱れるわ、電話もかけられないわ、っていうのも怖かったですね。リダイヤル過多の虚無。
結局、私は一般につながることなく終了。おつかれっした。まあそりゃそうやんな。
iPhoneの履歴は200件までしか残らないけど、ちゃんと全部カウントしてほしい。何回電話したか知りたい。無意味にも頑張った証として。200なんて、結構すぐいくよ。
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奇跡はすぐ起こった。奇跡なのに、ありがたみを見失うくらいすぐだった。
一般が終わって、鳴りまくってるお腹をさすってクロワッサンを食べた。おいしい。そして気を晴らすんやで!と買ってなかったMステのステフォを注文し終わったころには、行けることがほぼ確定していた。クドカンのドラマばりのスピード感。
絶対行ってほしかった友人のおかげで、友人だけじゃなくて、私まで歌舞伎に行けることになった。
私の周りには割と、一般でチケットを手に入れる人がいる。どうなってんの?と思う。その世界はちょっと計り知れないよ。
ごちゃごちゃ悩んでメソメソして内観にまでたどり着いたヲタク、実感が湧かなすぎる。でも静かに美容院の予約の日を変えたり、心配をかけまくっていた友達に連絡したりしていたら、「阿部さんに会えるんか…」「まじか…」「なんかドキドキしてむり!!」発作か。
こんなんいつまでもヲタ卒なんてできんわ。
今回も、めちゃくちゃいっぱいお世話になった人がいる。
ぜんっぜん関係ないことなのに私のために自分の時間を使って電話してくれたあの人や、私はもう諦めてメソメソしているのに「梅子さんが歌舞伎に行くこと私は諦めてない!」と見た目と真逆の少年ジャンプみたいなことを言うあの人。愚痴を書いても弱音を書いても「何もできないけど見てるからね」って言ってくれるDMの人たち、私の友だちのことまで心配してくれるあの人。いっぱい励ましてくれる、近くにいるあの人やあの人。
自分のことはさておいて、おめでとう、よかったね、ところでドデスカ特番CMカットする?ってLINEくれたあの人も。
いやいやカットせんでいいわ!こんな時に私のわがままのためにそんなもの!!!どんだけいい人なのよありがとう!!!
私は自分ばっかり追い詰められながら、いつでも誰かのお世話になりすぎているけれど、少しは返せているのだろうか。
4月、1年半ぶりに東京に行くことになりました。
友だちのおかげでもらったチャンス、あの人が私にくれた席で阿部さんに会ってくる。そんなの特別で、最高の景色に決まってる。
本当にありがとう!
久しぶりすぎて遠征の勘が鈍っているけれど、1人で大丈夫かな…忘れ物しませんように。1人なのでポヤはお手柔らかに。
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私は救われて、闇から抜けたけど、でもずっと願い続けている。
私の大好きな友だちが、みんな歌舞伎に行けますように。自担に会えますように。
なかなか直接連絡なんてできないし、うまくは言えないのだけど、みんなと幸せになりたい。じゃないと悲しすぎる。絶対絶対、あの美しい桜の花をその手に。